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2026/10/13

 クライオ電子顕微鏡によって明らかになった二成分毒素ポアの段階的成熟機構

論文タイトル
Step-by-step maturation mechanism of the binary toxin pore revealed by cryo-EM analysis
論文タイトル(訳)
 クライオ電子顕微鏡によって明らかになった二成分毒素ポアの段階的成熟機構
DOI
10.1073/pnas.2627537123
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
巻号
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 123 (40) e2627537123
著者名(敬称略)
筆頭著者:山田 等仁  連絡著者:津下 英明 
所属
京都産業大学 生命科学部 先端生命科学科
著者からのひと言
 膜孔はいかにして出来上がるのか。まず、モノマーとして発現したタンパク質は、プロテアーゼによってプロ配列が切断され、7量体の可溶性プレ膜孔を形成します。さらにβバレルからなる「注射針」が形成され、膜に穴をあける膜孔へと成熟します。本研究では、これまで謎であったプレ膜孔が出来上がる過程を明らかにしました。段階を踏んで巧妙かつ合理的に膜孔が組み上がっていく仕組みは、まさに驚きです。

抄訳

膜孔形成タンパク質はそれがリング状に集合して多量体となり、細胞膜等に貫通する孔を形成し、感染や免疫、細胞殺傷に関与することが知られています。膜孔形成タンパク質は最初に不活性のプレ膜孔を形成し、その後に膜貫通型の膜孔に構造変化することが知られていましたが、これがどのような順序で進行するかは深く理解されてきませんでした。我々は細菌が産生する膜孔形成タンパク質の研究に取り組み、膜孔への構造変化が立体的な制約によって停止した試料「Ibロゼッタ」を得ることに成功し、クライオ電子顕微鏡を用いて構造解析を行いました。その結果、プレ膜孔と膜孔に加え、その中間段階に対応する複数の構造を解明することができました。これによって、プレ膜孔から膜孔への構造変化は、段階的かつドミノ倒しのように秩序だって進行することが明らかになりました。本研究から得られた知見は、膜孔形成タンパク質の分子メカニズムの理解を深めるだけでなく、膜孔を利用した研究用ナノデバイスの設計等への応用が期待されます。

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