抄訳
真菌による血流感染症は致死率の高い重篤な感染症であり、患者の予後改善には原因真菌の迅速かつ正確な同定が重要である。しかし、従来の血液培養法では、原因真菌の検出・同定までに数日を要することが課題となっている。本研究では、ランダムPCR法とナノポアシーケンシング技術を組み合わせ、血液培養が陽性となる前の段階で原因真菌を検出・同定する新たな解析手法を開発した。本手法では、血液培養検体から宿主由来DNAを選択的に除去した後、真菌DNAを増幅し、リアルタイムで全ゲノムシーケンシング解析を行う。これにより、検体処理から約7時間で原因真菌を菌種レベルで同定することが可能となった。さらに、得られたゲノム情報は薬剤耐性関連変異の検出や菌株間の遺伝的関連性の解析にも活用できる。本技術は、真菌血流感染症の早期診断と適切な抗真菌薬治療の迅速な開始を可能にし、患者の予後改善に貢献することが期待される。