抄訳
アトピー性皮膚炎は、治療によって症状が改善しても再発を繰り返すことが多い。その背景には、皮膚に長期間残存する組織常在性メモリーT細胞(TRM細胞)の関与が示唆されているが、その維持機構は十分に解明されていなかった。
本研究では、複数のアレルギー性皮膚炎モデルを用いて、CXCR6を発現するCD4陽性TRM細胞が、炎症の再発を迅速に誘導する病原性細胞集団であることを明らかにした。さらに、これらの細胞は皮膚の血管周囲でCD301b陽性樹状細胞(cDC2)と集積し、CXCL16–CXCR6を介した相互作用によって局所で維持されることを見いだした。このシグナルを阻害すると、病原性TRM細胞の増殖と維持が抑制された。
興味深いことに、ヒトのアトピー性皮膚炎においても、IL-13阻害薬による治療で症状が改善した後の皮膚に、同様の細胞集積が残存していた。
本研究は、アトピー性皮膚炎が再発する仕組みの一端を解明するとともに、CXCL16–CXCR6経路を標的とした再発予防につながる新たな治療戦略の可能性を示した。