抄訳
光は一見なめらかに見えますが、微視的には「光子」と呼ばれる粒として振る舞い、その数にはゆらぎがあります。このゆらぎには、光の平均的な明るさだけではわからない、量子としての性質が隠れています。本研究では、その情報を電気信号として読み出す新しい方法を提案しました。利用するのは、反転中心を持たない結晶に光を当てると、電子の位置がわずかにずれることで生じる「シフト電流」です。この仕組みにより、光子数のゆらぎを、流れる電気量のゆらぎへと変換できます。つまり、電気信号の細かな変動を調べることで、光の隠れた性質を知ることができます。さらに、一定の条件のもとでは、この変動から、光を使ってどれほど精密な測定ができるかを示す量子フィッシャー情報量と呼ばれる量も得られます。電子を次々に増やして信号を強める仕組みなどを必要とせず、光と結晶の性質を直接利用する点が特徴です。光の量子的な性質を電気で読み取る新たな技術として、高感度な光検出や精密測定への応用が期待されます。