抄訳
プロラクチン (PRL) は、下垂体のラクトトロフから分泌され、乳汁産生を促すホルモンです。しかし、その働きは広く、雌では発情周期や妊娠、偽妊娠、授乳などの生殖状態に応じて、分泌量が大きく変わります。成熟ラクトトロフは高い分泌能を備えながら、ドパミンによる持続的な抑制を受けています。抑制を受けつつ、必要に応じて分泌を速やかに変える。本研究では、その特徴的な仕組みに着目し、分泌制御に関わる因子として、刺激応答性核内受容体NR4Aファミリーを見出しました。成熟雌ラットでは、妊娠や泌乳に伴うPRL分泌の亢進とともにNr4a遺伝子の発現が上昇し、分泌が低下する条件では発現も減少しました。さらに、下垂体初代培養細胞でNr4a2を抑制すると、Prl遺伝子の発現は変わらず、PRL分泌が選択的に低下しました。これらの結果は、NR4A2がPRLの放出過程に関わり、成熟ラクトトロフの高い分泌能を支える可能性を示しています。