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2026/10/26

 ゼブラフィッシュとイベリアトゲイモリにおける腹鰭・後肢の前駆細胞集団の初期形成を支える、保存されたHox9–10遺伝子の仕組み

論文タイトル
A conserved Hox9–10 code underlies the early establishment of hind appendage progenitors in zebrafish and the Iberian ribbed newt
論文タイトル(訳)
 ゼブラフィッシュとイベリアトゲイモリにおける腹鰭・後肢の前駆細胞集団の初期形成を支える、保存されたHox9–10遺伝子の仕組み
DOI
10.1073/pnas.2621291123
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America
巻号
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 123 (42) e2621291123
著者名(敬称略)
中澤 秀道 川村 哲規 他
所属
埼玉大学大学院理工学研究科生命科学部門・理学部生体制御学科
著者からのひと言
 2025年のeLife誌で発表した胸鰭の研究に続き、今回は腹鰭の形成に不可欠なHox遺伝子群を明らかにしました。特に、魚の腹鰭と両生類の後肢に共通する仕組みを発見したことは、胸鰭と腹鰭、さらには私たちの手足に、なぜ共通のHoxA/D9–13による形態形成の仕組みが備わっているのか、その進化的起源を考える重要な手がかりとなります。2021年のHoxクラスター欠失変異体の作製から研究を積み重ね、学生や共同研究者の皆さんと今回の成果にたどり着けたことを大変うれしく思います。

抄訳

 魚の胸鰭と腹鰭は、進化の過程で四肢動物の前肢と後肢へと変化し、私たちの手足につながりました。これらの器官は形が大きく異なりますが、その複雑な形をつくるために共通のHoxA/D9–13遺伝子システムを利用しています。しかし、この仕組みが進化の過程でどのように成立したのかは不明でした。
本研究では、ゼブラフィッシュの5つのHoxA/D9–10遺伝子を同時に欠失させると、腹鰭のもとになる細胞集団が検出されなくなり、腹鰭が完全に消失することを発見しました。さらに、両生類のイベリアトゲイモリでもHox9–10遺伝子群を破壊すると、後肢の形成が大きく損なわれました。
これらの結果は、魚の腹鰭と四肢動物の後肢の形成開始に共通するHox9–10の働きが、進化を通じて保存されていることを示しています。また、もともと体の後方を決めていたHox遺伝子の仕組みが、まず腹鰭の形成に利用され、やがて胸鰭にも共通するHoxA/D9–13システムへと発展したという進化モデルを支持する成果です。

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