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2021/03/23

副腎における脂肪酸合成およびステロイド合成に対するChrebp遺伝子欠失の効果

論文タイトル
Effects of ChREBP deficiency on adrenal lipogenesis and steroidogenesis
論文タイトル(訳)
副腎における脂肪酸合成およびステロイド合成に対するChrebp遺伝子欠失の効果
DOI
10.1530/JOE-20-0442
ジャーナル名
Journal of Endocrinology
巻号
Journal of Endocrinology Volume 248 Issue 3 (317–324)
著者名(敬称略)
鷹尾 賢, 飯塚 勝美 他
所属
岐阜大学大学院医学系研究科 分子・構造学講座 内分泌代謝病態学分野

抄訳

ChREBPは肝における脂肪酸合成遺伝子の発現を調節する転写因子である。今回我々は副腎ChREBPの脂肪酸合成、ステロイド合成における役割を検討した。本研究では、マウス副腎においてChrebpが発現すること、Chrebp ホモ欠損マウス(Chrebp-/-)では脂肪酸合成低下の結果、細胞内脂肪滴の減少とともに副腎トリグリセリド含量が低下することを明らかにした。また、副腎では血液中から取り込んだコレステロールを利用して、コルチコステロンを合成する。Chrebp -/-では血中コレステロール濃度の低下が見られるため、副腎ステロイド合成・分泌能が低下すると考えた。しかし、コレステロール合成や取り込みを調節する転写因子Srebf2の発現増加により副腎コレステロール含量は不変であり、副腎コルチコステロン含量やコルチコステロン分泌能も不変であった。以上から、副腎ChREBPは脂肪酸合成を調節するものの、コルチコステロン合成・分泌能には影響しないことを明らかにした。

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