抄訳
目的:日本の実臨床における、パルボシクリブの治療パターンと血液検査モニタリングのリアルワールドデータを明らかにすること
対象と方法:2017年から2020年にパルボシクリブを処方された転移・再発乳がん患者の匿名化データを日本の大規模診療データベース (Medical Data Vision; 東京、日本) から抽出した。
結果、結論:当該期間に1,074名にパルボシクリブが使用され、2017-2018年はセカンドライン以降で主に処方されていたが、徐々にファーストラインでの処方が増加していた。治療ラインに関わらずフルベストラントが最も多い併用薬であった(57-66%)。この点は米国と異なっていた。開始用量は、ほとんどの症例に125mgで処方されていたが、半数以上の患者では投与開始8週以内に減量されていた。血液検査は定期的に行われていたものの、血液検査が行われていない症例も一部みられた。安全面への懸念を最小限にし、治療早期における中止を避けるため、血液検査モニタリングは適切に行うべきである。