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2022/05/12

間葉系前駆細胞と筋幹細胞間のシグナル伝達が機械的負荷の増加に対する筋幹細胞応答を保証する

論文タイトル
Relayed signaling between mesenchymal progenitors and muscle stem cells ensures adaptive stem cell response to increased mechanical load
論文タイトル(訳)
間葉系前駆細胞と筋幹細胞間のシグナル伝達が機械的負荷の増加に対する筋幹細胞応答を保証する
DOI
10.1016/j.stem.2021.11.003
ジャーナル名
Cell Stem Cell
巻号
Volume29, Issue2
著者名(敬称略)
金重 紀洋,深田 宗一朗 他
所属
大阪大学大学院 薬学研究科

抄訳

筋力トレーニング(筋トレ)のように骨格筋への力学的負荷を増加させると,骨格筋は適応し筋量・筋力が増大する。この筋量増大(筋肥大)には増殖した筋幹細胞(MuSC)から供給される筋線維(骨格筋の実質多核細胞)核の増加が必須である。しかし, MuSCが力学的負荷依存的に増殖するメカニズムは解明されていなかった。本研究では,外科的な筋トレマウスモデルにおいて,骨格筋固有の間葉系前駆細胞が力学的負荷に応答し,MuSCの増殖を刺激することを明らかにした。その機構として,間葉系前駆細胞内のYap/Tazが力学的負荷依存的に核に集積し,トロンボスポンジン-1(Thbs1)の産生を誘導,その後Thbs1がMuSC上の受容体CD47を介してMuSCの増殖が促進することが明らかとなった。またCD47を介したMuSCの増殖には,MuSCの静止期シグナルであるカルシトニン受容体 (CalcR) の発現低下が必須であり,MuSC特異的なCalcR欠損マウスにCD47 agonistを投与すると,損傷も運動もない条件下で人工的にMuSCの増殖・筋線維核の増加を誘導できた。

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Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism