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2022/08/12

げっ歯類動物の頭部に一定の加速度を生じる受動的頭部上下動の適用

論文タイトル
Application of Passive Head Motion to Generate Defined Accelerations at the Heads of Rodents
論文タイトル(訳)
げっ歯類動物の頭部に一定の加速度を生じる受動的頭部上下動の適用
DOI
10.3791/63100
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (185), e63100
著者名(敬称略)
筆頭著者:前川 貴郊、 連絡著者:澤田 泰宏
所属
国立障害者リハビリテーションセンター研究所運動機能系障害研究部

抄訳

運動は様々な病気や運動器機能障害に効果を持つことが広く認められており、脳の疾患に対しても効果的であることが分かっている。しかしながら、運動効果の分子メカニズムの詳細は分かっていない。多くの身体運動、特にジョギングやウォーキングなどの有酸素運動では、足の着地時に頭部を含めた全身に衝撃が加わる。このことから、運動が持つ全身の恒常性維持の効果に物理的刺激を介した調節機構が関与している可能性が考えられる。この仮説を検証するために、適度な速度で運動させた時にげっ歯類の頭部に加わる加速度と同程度の上下方向の加速度を、受動的上下動によって、マウスの頭部に加えた。受動的頭部上下動は、脳内組織液を流動させ、前頭前皮質の神経細胞に物理的刺激を与え、セロトニン2A受容体の分布を細胞の表面から内部へと変化させ、セロトニンに対する応答性を低下させた。以上より、受動的頭部上下動が脳機能を調節し得ることが明らかとなった。本論文では受動的頭部振動を与える方法を記載している。

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