抄訳
【背景】帯状疱疹は、水痘帯状疱疹ウイルスの再活性化によって引き起こされ、免疫力の低下または悪性腫瘍と関連している。また、免疫システムが低下した状態から回復する際に見られる免疫再構築症候群として発生することも知られている。免疫チェックポイント阻害薬と帯状疱疹のリスクに関する臨床データは報告されていない。我々は、PD-1/PD-L1抗体またはEGFR-TKIのいずれかで治療された肺癌患者における帯状疱疹の発症を比較した。
【方法】149例のEGFR-TKIで治療されたEGFR-TKI治療群と136例のPD-1/PD-L1抗体で治療されたPD-1/PD-L1抗体治療群にてカプラン・マイヤー法を使用して帯状疱疹の発症を比較した。
【結果】帯状疱疹の発症は、PD-1/PD-L1抗体治療群で、EGFR-TKI治療群よりも有意に多かった(P=0.016、ハザード比=0.20) 、95% 信頼区間 = 0.048–0.84)。
【結論】PD-1/PD-L1抗体治療は帯状疱疹の発症に関与していた。臨床医は免疫チェックポイント阻害薬による帯状疱疹の発症に注意する必要がある。