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2022/10/27

新型コロナウイルス変異株でスパイク蛋白質のL452部位に特定のアミノ酸が繰り返し選択される機序を探る

論文タイトル
Dissecting Naturally Arising Amino Acid Substitutions at Position L452 of SARS-CoV-2 Spike
論文タイトル(訳)
新型コロナウイルス変異株でスパイク蛋白質のL452部位に特定のアミノ酸が繰り返し選択される機序を探る
DOI
10.1128/jvi.01162-22
ジャーナル名
Journal of Virology
巻号
Journal of Virology October 2022  Volume 96  Issue 20  e01162-22
著者名(敬称略)
Toong Seng Tan 上野 貴将 他
所属
熊本大学ヒトレトロウイルス学共同研究センター感染免疫学分野

抄訳

新型コロナウイルスのパンデミック宣言から3年足らずの間に、SARS-CoV-2の懸念される変異株が世界各地で出現し、感染者数の増加につながっています。また、こうした変異の蓄積が、ウイルスが複製する能力、感染性や免疫逃避性を高める方向へ進化しているのではないかと懸念されています。我々は、SARS-CoV-2スパイク蛋白質の中で、頻度が高く、繰り返して選択されるL452部位のアミノ酸置換に焦点を絞り、変異が選択される機序を解析しました。この部位にさまざまな変異を導入してウイルス学的、免疫学的な解析を行ったところ、新型コロナウイルスの変異獲得においては、ウイルス感染性や免疫逃避性のみならず、1つの塩基置換のみで、翻訳される蛋白質のアミノ酸が置換される変異が有意に選ばれていることを明らかにしました。

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