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2022/11/30

クッシング症候群のモデル動物

論文タイトル
Animal Models of Cushing's Syndrome
論文タイトル(訳)
クッシング症候群のモデル動物
DOI
10.1210/endocr/bqac173
ジャーナル名
Endocrinology
巻号
Endocrinology, Volume 163, Issue 12, December 2022, bqac173
著者名(敬称略)
西山 充 他
所属
高知大学 保健管理センター

抄訳

クッシング症候群は副腎グルココルチコイドの過剰により特徴的な症候や合併症を呈する病態である。内因性クッシング症候群は下垂体性と副腎性に大別されるが、近年これらの原因となる遺伝的背景が明らかにされてきた。一方で、グルココルチコイド治療に伴う外因性クッシング症候群もよく見られる。本論文では、クッシング症候群の病態解明や治療法開発を目的として作出されたモデル動物について概説する。外因性クッシング症候群の誘導は最も簡便な方法であり、飲水中へのコルチコステロン混入が広く行われているが、最近我々はコルチコステロン・ペレットをマウス皮下に埋め込む方法を考案した。発生工学的手法を用いて、Crh過剰発現およびPrkar1a欠損によるクッシング症候群モデルマウスも作出された。ヌードマウスへのAtT20細胞移植による方法も確立されており、下垂体性クッシング病に対する治療法開発の際に用いられる。本論文では、これらのモデル動物を用いて解明されたグルココルチコイド過剰に伴う病態(11beta HSD-1発現、肥満・過食、糖尿病、骨粗鬆症)の分子機構についても概説する。

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