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2022/12/16

げっ歯類を対象とした空間ナビゲーション試験の再現性を高めるための再構成可能な迷路システムの活用法

論文タイトル
Utilizing a Reconfigurable Maze System to Enhance the Reproducibility of Spatial Navigation Tests in Rodents
論文タイトル(訳)
げっ歯類を対象とした空間ナビゲーション試験の再現性を高めるための再構成可能な迷路システムの活用法
DOI
10.3791/64754
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (190), e64754
著者名(敬称略)
澤谷 郁哉、髙橋 晋 他
所属
同志社大学大学院脳科学研究科システム神経科学分野認知行動神経機構部門

抄訳

げっ歯類の空間ナビゲーション能力や行動表現型を調べるために、様々な形状の迷路が用いられてきた。ところが、各迷路試験には異なる構成の個別の迷路装置が必要であるため、単一の環境下で様々な迷路試験を実施することや、それらの迷路形状の再現性を確保することは困難であった。再構成可能迷路は、この制限を解決するために開発された迷路システムで、様々な形状の迷路を迅速かつ柔軟に構成し、再現性の高い実験を単一の物理環境で実施できる。この迷路システムは連結した走路で構成され、給餌箱、トレッドミル、可動式壁、遮断センサーを備えている。本稿では、再構成可能迷路がT字型、十字型、W字型、8の字型などの既存の迷路を再現できることを示す。また、本稿で紹介する迷路試験プロトコルは、標準化された部品を段階的に追加することで、動物が学習する段階に合わせ迷路を拡張できる柔軟性を説明している。再構成可能迷路は、げっ歯類の空間ナビゲーション行動を系統的かつ精確に評価できる環境を提供する。

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