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2023/04/06

オオコウモリ細胞におけるCA依存性レトロウイルス感染抑制活性の解析

論文タイトル
Characterization of Megabat-Favored, CA-Dependent Susceptibility to Retrovirus Infection
論文タイトル(訳)
オオコウモリ細胞におけるCA依存性レトロウイルス感染抑制活性の解析
DOI
10.1128/jvi.01803-22
ジャーナル名
Journal of Virology
巻号
Journal of Virology March 2023 Volume 97 Issue 3 e01803-22
著者名(敬称略)
大倉 定之 他
所属
日本医科大学 微生物学・免疫学分野

抄訳

オーストラリアのオオコウモリ細胞株がガンマレトロウイルスに対して感受性である一方で、ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV-1)感染を抑制することが報告され、コウモリのレトロウイルスに対する感受性に関心が寄せられている。本研究ではコウモリ種間でレトロウイルス感受性を比較するために、11種のコウモリに由来する12細胞株を解析した。オオコウモリ細胞はココウモリ細胞と比較してHIV-1に対して感染性が低く、定量的PCR、細胞融合およびHIV-1カプシド(CA)の点突然変異により感染性を詳細に解析した結果、オオコウモリ細胞ではウイルス複製はウイルスゲノムの核内移行前後で阻害され、感染抑制はCA依存性であった。しかし推測される既知の感染抑制因子のコウモリホモログは抗HIV-1活性を示さなかったことから、本研究はオオコウモリでは霊長類とは異なる新規の宿主因子がHIV-1感染を抑制する可能性を示唆した。

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