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2023/10/10

マウスDNA/RNAヘリカーゼSenataxinの新しい対立遺伝子が減数分裂停止と不妊を引き起こす

論文タイトル
New allele of mouse DNA/RNA helicase senataxin causes meiotic arrest and infertility
論文タイトル(訳)
マウスDNA/RNAヘリカーゼSenataxinの新しい対立遺伝子が減数分裂停止と不妊を引き起こす
DOI
10.1530/REP-23-0166
ジャーナル名
Reproduction
巻号
Reproduction REP-23-0166
著者名(敬称略)
藤原 靖浩 (筆頭著者兼連絡著者) 
所属
東京大学定量生命科学研究所病態発生制御研究分野

抄訳

不妊に関わる新規遺伝子同定を目的としたスクリーニングにより、spcar3変異表現型が同定された。spcar3変異は、R-loop構造を解消する機能を持つDNA/RNAヘリカーゼであるSenataxinをコードするSetx遺伝子の新たな対立遺伝子であることが明らかとなった。Setxspcar3突然変異マウスは雄性不妊を示すが、その原因は精細管に精子細胞と成熟精子が存在しないことである。Setxspcar3突然変異精母細胞の染色体標本を解析したところ、相同染色体の対合は正常にもかかわらず、常染色体における異常なDNA損傷形成、性染色体クロマチンの形成不全が生じていることが明らかになった。さらに、Setxspcar3突然変異マウスの精巣細胞は、Rループの異常蓄積を示した。これらの結果から、Senataxinが正常な減数分裂と精子形成に必要であることが確認されただけでなく、R-loop形成制御とゲノム恒常性維持における役割を解析するための新たなリソースが得られた。

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