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2015/07/22

ホスホリパーゼ A2グループIVc (Pla2g4c) 遺伝子の欠失はNF-κB /リポカリン 2 経路を介してラット乳がん細胞にアポトーシスを誘導する

論文タイトル
Deletion of phospholipase A2 group IVc induces apoptosis in rat mammary tumour cells by the nuclear factor-kB/lipocalin 2 pathway
論文タイトル(訳)
ホスホリパーゼ A2グループIVc (Pla2g4c) 遺伝子の欠失はNF-κB /リポカリン 2 経路を介してラット乳がん細胞にアポトーシスを誘導する
DOI
10.1042/BJ20150064
ジャーナル名
Biochemical Journal Biochemical Society
巻号
Biochemical Journal Vol.469 No.2 (315-324)
著者名(敬称略)
七島 直樹、山田 俊幸、清水 武史、土田 成紀
所属
弘前大学大学院医学研究科ゲノム生化学 弘前大学大学院保健学研究科生体機能

抄訳

Hirosaki hairless rat (HHR) はSprague-Dawley rat (SDR) から自然発生した遺伝性の変異ラットである。Comparative genomic hybridizationで、HHRでは第1染色体長腕21に phospholipase A2 group IVc (Pla2g4c)を含む50-kbの欠損を認めた。Pla2g4cはSDR乳腺の腺管細胞と筋上皮細胞に発現していた。7,12-dimethylbenz[a]anthraceneによるHHRの乳がん発生率はSDRより低く、乳がんもSDRに比べ小さく、TUNEL陽性のアポトーシスが観察された。ラット乳腺腫瘍細胞(RMT-1)を用いてPla2g4cをsiRNAでノックダウンすると、アポトーシスが誘導されるとともにlipocalin 2 (Lcn2) と NF-κB関連遺伝子の発現が亢進した。Pla2g4cノックダウンによるアポトーシスは、Lcn2のノックダウンあるいはNF-κB阻害剤により抑制された。これらの結果から、Pla2g4cを欠損したラット乳腺ではNF-κB/Lcn2 経路の活性化によりアポトーシスが誘導され、乳がん発生が抑制されることを明らかにした。

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