抄訳
NCCNガイドラインに記載されている膵癌切除可能性分類に,膵癌取扱い規約の局所進展度因子評価を追加することで,術前CTでの切除可能性評価が向上するか否か検討した.
術前ダイナミック造影CTを撮像された86例の切除膵癌症例を対象に,NCCNガイドラインの切除可能性分類に記載されている脈管侵襲(NCCN score)および膵癌取扱い規約に記載されている局所進展度(JPS score)につき,それぞれ浸潤程度によってスコア化し,そのスコアを合算した(Combined score).R0切除症例とR1/R2切除症例の分離能をそれぞれのスコアで評価した.
Combined scoreを用いた上記分離能は感度 86.9%,特異度 68.0%,AUC 0.874であり,AUCはNCCN scoreと比較し,有意に高値であった(P = 0.0059).
NCCNガイドラインと膵癌取扱い規約の双方を用いた膵癌切除可能性評価は,それぞれ単独での評価と比較し,より正確な評価が可能であった.