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USACO News:詳細

2016/02/28:第270号 出版者によるORCID義務化の取り組み
 

出版者によるORCID義務化の取り組み

  The Royal Society(英国王立協会)は,2016年1月以降,同機関が刊行する雑誌に投稿する全てのコレスポンディングオーサーがORCIDを提示することを義務付けた。ORCIDは,研究者個人を特定するため,同姓同名,所属機関の異動,表記の不統一などを解決する一意的かつ永続的なIDとして2012年10月からサービスが開始されている。Scholarly Kitchen誌はThe Royal Societyの出版責任者Stuart Taylor氏にORCIDの義務化に関するインタビュー実施し,記事を掲載している。その内容は概ね以下の通り。 

ORCID義務化に踏み切った理由
  The Royal Societyは従来から普遍的な著者IDの発想を支持してきた。ORCIDに関しても著者がIDを提供すれば掲載してきたが,義務化に関しては2015年4月・5月に行われた今後の学術情報流通を討議する場で, ORCIDが様々な観点で頻繁に言及され,普及が進めば研究者と科学一般に大きな恩恵があることを確信したことが契機になった。出版機関が持つ学術コミュニティーに対する影響力を使い,ORCID の普及活動に取り組むべきだと感じた。

義務化発表後にどのような反応があったか?
   2015年12月7日に義務化のアナウンスをした。反響に関してコメントするのは,時期尚早だが,様々なチャネルでポジティブな取り上げられ方をしていて,今後を見守りたい。また,他の出版者と協調することが更なる普及の鍵となるとの認識から,同様の考えを持つScience, PLOS, IEEE, EMBO, eLife, Hindawi, AGUとも話をしていた。これらの出版者も公開書簡を通じ追って義務化を表明することになった。

公開書簡に署名した出版者は何を誓約しているのか?
  各出版者は論文出版前に著者がORCID を提供することを必須にするという基本的な方針に合意し,どの著者にどのタイミングで提供してもらうかはそれぞれのワークフローに委ねられる。ORCID の収集にはORCID APIを使うことにより,CrossRef DOIメタデータが自動アップデートされ,ORCIDがオンライン,印刷版の論文メタデータに記述される。

この取り組みを通じて何を実現したいか?
   現状,多くの科学者がまだORCIDを取得していない。できるだけ多くの出版者が参加することで,ORCIDが,研究助成の申請や,業績リスト,ポストの応募など様々な場面で大きな恩恵をもたらすとの強力なメッセージを送りたい。

現状の課題とその対応策
  概して,出版者は著者が投稿の足かせに思うようなことはしたくなく,ORCIDを新たな重荷と受け取っているかもしれない。しかしながらORCIDの取得には1分もかからず,一度すれば良いことを指摘したい。著者が論文投稿時にORCIDを使えば,CrossRefの機能により,その論文が出版された時に自身のORCIDレコードに自動的に追加されるため,著者の業績リスト管理の手間が省ける。この情報は連携する助成団体のシステムや機関リポジトリなどに流し込むことができる。また,プライバシーにも配慮され,公開・非公開する情報を研究者が設定することができる。

  2016年1月現在でORCIDを取得した研究者の数は世界で190万人を超えた。現状では3,000以上のジャーナルでORCIDがオプションとして入力できるようなっている。現時点で計16の出版者が義務化を表明しているが,今後この動きが拡大すればORCIDの普及が一段と加速し,論文発表する全ての研究者にとって必要不可欠なものとなる日も近いかもしれない。

・Alice Meadows ” Why Some Publishers are Requiring ORCID iDs for Authors: An Interview with Stuart Taylor, The Royal Society”, Scholarly KItchen http://scholarlykitchen.sspnet.org/2016/01/07/why-some-publishers-are-requiring-orcid-ids-for-authors-an-interview-with-stuart-taylor-the-royal-society/, (accessed 2016-2-29)

・ORCIDサイト
http://orcid.org/

・宮入暢子「世界の研究者190万人が利用している「ORCID」って何? 研究者・学生もこれだけは知っておきたい基礎知識」http://www.wiley.co.jp/blog/pse/?p=33961&utm_content=buffer07c56&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer,(accessed 2016-2-29)

研究画像不正検出システム LP-exam シリーズ 販売開始のお知らせ

  2月22日より,研究論文などに使用される画像の不正処理を検出するシステム「LP-exam」シリーズの取り扱いを開始しました。LP-examは最先端の画像処理技術を応用し,生命科学分野の学術論文の画像を中心に切り貼りや加工などの不自然な箇所がないかを検出するシステムです。

■LP-exam Cloud
   ライフサイエンス研究と画像解析の専門家による不正検査受託サービスです。専用のシステムで画像をアップロードして解析の結果を待つだけで高精度な検査が可能です。

■LP-exam Pro
   画像解析機能を搭載したパッケージソフトウェアです。外部に委託することなく大量のデータを高速で検査することができます。

詳細につきましては弊社までお問い合わせください。

・ユサコ株式会社ホームページ
 http://www.usaco.co.jp/itemview/template44_1_16039.html

医中誌Web:「メディカルオンライン」リンク件数増加とリンクアイコン変更のお知らせ

  2016年2月16日より,医中誌Webから「メディカルオンライン」へのリンク件数が大幅に増えました。 これまで,リンク対象はPDFダウンロードおよびFAXサービス対応の文献のみでしたが,「メディカルオンライン」上で「抄録」として全文テキストが掲載されている文献(医中誌Webでは主に論文種類「会議録」の文献)も対象に加わりました。 リンク対象拡大に伴い,医中誌Webから「メディカルオンライン」へのリンク件数が,1,502,049件 → 1,760,361件と,約25万件増加しました。

  上記に伴い,医中誌Web検索結果に表示されている「メディカルオンライン」のリンクアイコンが変更されています。

・医学中央雑誌刊行会からのお知らせ
http://www.jamas.or.jp/news/ver/201602_mol.html

Cell Press誌名変更のお知らせ

  Cell Press刊行のChemistry & Biologyが,2016年初号よりCell Chemical Biologyに誌名変更しました。1994年の創刊以来,化学と生物学の両分野を網羅する研究の重要性に,いち早く着目してきましたが,このたびの誌名変更により,さらなる生物化学の発展に寄与し,化学とライフサイエンス間の対話や共同研究の進展を展望しております。

詳細につきましては弊社までお問い合わせください。

Cell Chemical Biologyホームページ
http://www.cell.com/chemistry-biology/home

展示・セミナーのご案内
日時 展示・セミナー名 会場
2016年3月9日(水)~3月10日(木)

第7回Japan Bioanalysis Forumシンポジウム

タワーホール船堀
2016年3月18日(金)~3月20日(日)

第80回日本循環器学会学術集会

仙台国際センター,せんだい青葉山交流広場「特設テント会場」B棟 コマ B-15
2016年3月28日(月)~3月30日(水)

第121回日本解剖学会総会・全国学術集会

ビックパレットふくしま
2016年4月15日(金)~4月17日(日)

2016国際医用画像総合展(ITEM 2016)

パシフィコ横浜
2016年4月21日(木)~4月23日(土)

第89回日本内分泌学会学術総会

国立京都国際会館

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