本文へスキップします。

H1

ユサコニュース詳細

USACO News:詳細

2003/03/31:第128号国際標準化機構(ISO)がISBNの改定を検討
 

国際標準化機構(ISO)がISBNの改定を検討
米国規格協会(ANSI)の構成団体であり、情報関係の標準化を担当しているNISO
(National Infromation Standard Organization)のホームページによると、
国際標準化機構(ISO)は、書籍を管理する国際標準番号(ISBN)を現行の10桁から
13桁に改定する計画を進めている。ISBN番号の不足が主な理由。

 ISBNは各単行書籍に1つ付与されており、単行書籍の出版社、出版形態などを
特定する登録番号である。NISOによると、ISBNは世界160カ国で30年以上利用され
現在約1億冊の書籍に付与されている。

 ISOでは、NISOを含めた10ヶ国の標準化機構、及び3つの国際機関でワーキング
グループを構成した。ISBNの改定における計画書をインターネット上で公開し、
各国の標準化機構に対してコメントを求めている。2005年1月には改定したISBNを
国際標準に認定する予定。

 今回の改定案が認定されると、すでに発行しているISBNには末尾に978の3桁の数字が
付与されることになる。また、同じ書籍でも、章やセクションを抜き出して別の冊子に
したもの、インターネット上で公開しているものに対してもオリジナルと異なるISBNが
付与される。

 90年代に入り、書籍・学術ジャーナルの電子化、インターネット公開、またそれに
ともなう書誌情報の共同利用が急速に進んだことで、ISBNに限らず他の標準番号も
改定が進められている。国際標準書誌記述電子資料(ISBD(ER))、国際標準逐次刊行物
番号(ISSN)、英米目録規則第2版(AACR2)も同じ状況下にあり、今後の大幅な改定が
予想される。

 このような標準番号の改訂により、出版社や小売店が被る負担は計り知れない。
今回のISBNの改定でも、小売業者は2005年までに13桁ISBNのバーコードが読み取れる
機器を備えなければならない。また、ISOでは全てのメタデータに新しいISBNを付与
することを検討しており、電子化を推進している出版社はデータの改訂作業が迫られる
ことが予想される。ある関係者は、「今回のISBNの改定はY2Kよりも大きな問題だ」
と出版業界が受ける影響を懸念している。

参考資料:
・米国国際標準化機構(NISO)ホームページ
http://www.niso.org/standards/resources/ISBN.html
・国際標準化機構(ISO)ホームページ
http://www.iso.ch/iso/en/ISOOnline.frontpage
・"ISBN to be revised" Scholary Communication Report,
Vol.7, No.1, January 2003
・「ISBDの新たな展開-ISBD(M)と(CR)」カレントアウェアネス, No.275, 2003.3.20
・「『AACR2 2002年改訂版』が刊行 」Current Awareness-E No.2 2002.10.16
http://www.ndl.go.jp/jp/library/cae/2002/E-2.html (国立国会図書館ホームページ内)
・「ISBD検討グループ『ISBD(ER)』の改訂を提案」Current Awareness-E No.5 2002.12.4
http://www.ndl.go.jp/jp/library/cae/2002/E-5.html (国立国会図書館ホームページ内)

ユサコニュース一覧に戻る