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2014/03/19

グリオーマ患者を対象とした62Cu-ATSM-PETイメージング; FDG-, MET-PETとの比較検討

論文タイトル
62Cu-Diacetyl-Bis (N4-Methylthiosemicarbazone) PET in Human Gliomas: Comparative Study with [18F] Fluorodeoxyglucose and L-Methyl-[11C]Methionine PET
論文タイトル(訳)
グリオーマ患者を対象とした62Cu-ATSM-PETイメージング; FDG-, MET-PETとの比較検討
DOI
10.3174/ajnr.A3679
ジャーナル名
American Journal of Neuroradiology  American Society of Neuroradiology
巻号
American Journal of Neuroradiology Vol. 35, No. 2 (278-284)
著者名(敬称略)
立石健祐 川原信隆 他
所属
横浜市立大学附属病院脳神経外科

抄訳

62Cu-Diacetyl-Bis (N4-Methylthiosemicarbazone) (62Cu-ATSM)はPETにおける低酸素イメージング剤として開発された。本研究ではグリオーマ患者を対象に62Cu-ATSM-PETを施行し、MRI、 [18F]Fluorodeoxyglucose (FDG-), 及びL-Methyl-[11C]Methionine (MET-PET)との比較検討を行うことにより62Cu-ATSM-PETの意義付けを図ることを目的とした。対象及び方法;10例の神経膠芽腫を含む23例のグリオーマ患者に対し62Cu-ATSM, FDG-PETを施行した。19例ではMET-PETを追加した。全症例で直後に手術を施行し、得られた病理診断とPET所見との対比を図った。また各PETトレーサー及びMRI所見との比較の為に半定量的解析と共に、集積亢進領域の定性的解析かつ体積での評価を行った。 結果;神経膠芽腫において62Cu-ATSM及びMETは有意な集積亢進を認めた。神経膠芽腫に対する陽性反応的中度はMET-PET, 陰性反応的中度は62Cu-ATSM-PETが最も高かった。神経膠芽腫における62Cu-ATSM集積亢進は体積による検討ではFDG, METと有意に相関したものの、集積亢進領域はFDGの半数、METでは全例において不均一性を示した。結論; 低酸素イメージング剤62Cu-ATSMは術前に神経膠芽腫を予測しうる有用なトレーサーと考えられた。更に62Cu-ATSM-PETを従来のMRI, PET検査と併用することで低酸素領域を同定し、その結果治療抵抗領域への治療につながる可能性が示唆された。

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2012/10/01

右利き健常人の中枢性ベンゾジアゼピン受容体分布:I-123 イオマゼニールSPECTの部分容積効果補正および統計画像解析

論文タイトル
Distribution of Cortical Benzodiazepine Receptor Binding in Right-Handed Healthy Humans: A Voxel-Based Statistical Analysis of Iodine 123 Iomazenil SPECT with Partial Volume Correction
論文タイトル(訳)
右利き健常人の中枢性ベンゾジアゼピン受容体分布:I-123 イオマゼニールSPECTの部分容積効果補正および統計画像解析
DOI
10.3174/ajnr.A3005
ジャーナル名
American Journal of Neuroradiology  American Society of Neuroradiology
巻号
American Journal of Neuroradiology Vol. 33, No. 8 (1458-1463)
著者名(敬称略)
加藤 弘樹
所属
大阪大学大学院医学系研究科 放射線統合医学講座 核医学講座

抄訳

中枢性ベンゾジアゼピン受容体リガンドであるイオマゼニールは薄い大脳灰白質に高い特異性をもって集積する。このためI-123 イオマゼニールSPECT画像は部分容積効果(PVE)を受けやすく、加齢性脳萎縮による見かけの信号低下を呈する。本研究ではI-123 イオマゼニールSPECTのPVE補正によって、中枢性ベンゾジアゼピン受容体結合分布の加齢性変化を明らかにすることを目的とした。
 19例の右利き健常者(25 - 82 歳; 55 ± 21 歳)を対象としている。I-123 イオマゼニールSPECT をMRIを用いてPVE補正を行い、統計画像解析の方法に基づいて灰白質体積および補正前後のSPECT値と年齢との関連を調べた。
 その結果灰白質体積と補正前SPECT値の加齢性変化に強い正比例の相関が認められ、補正後SPECT値には有意な加齢性変化は検出されなかった。
 I-123 イオマゼニールSPECT のPVE補正によって、右利き健常人の中枢性ベンゾジアゼピン受容体分布に加齢性変化がないことが明らかになった。

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2012/04/04

3テスラ4次元造影MR血管撮影を用いた脳・頭頸部腫瘍の評価

論文タイトル
Evaluation of Brain and Head and Neck Tumors with 4D Contrast-Enhanced MR Angiography at 3T
論文タイトル(訳)
3テスラ4次元造影MR血管撮影を用いた脳・頭頸部腫瘍の評価
DOI
10.3174/ajnr.A2819
ジャーナル名
American Journal of Neuroradiology  American Society of Neuroradiology
巻号
American Journal of Neuroradiology Vol. 33, No. 3 (445-448)
著者名(敬称略)
平井 俊範 他
所属
熊本大学大学院生命科学研究部放射線診断学分野

抄訳

本研究の目的は富血管性脳・頭頸部腫瘍においてインターベンションを計画する際に栄養血管や腫瘍濃染を同定するのに3テスラ4次元造影MR血管撮影がDSAを置き換えられるかを検証することである。脳・頭頸部腫瘍を有する連続15症例に対して3テスラ4次元造影MR血管撮影とDSAを施行した。4次元造影MR血管撮影は0.9×0.9×1.5 mmの空間分解能、1.9秒の時間分解能で、30ダイナミック撮像を行った。2名の独立した観察者が主な栄養血管、腫瘍濃染について4次元造影MR血管撮影像を評価した。観察者間、各モダリティー間の一致率をκ統計で検定した。4次元造影MR血管撮影において、主な栄養血管、腫瘍濃染の観察者間一致率はそれぞれfair (κ = 0.28)、very good (κ = 0.87)であった。各モダリティー間の一致率は主な栄養血管がmoderate (κ= 0.45)、腫瘍濃染がgood (κ = 0.74)であった。3テスラ4次元造影MR血管撮影は富血管性脳・頭頸部腫瘍の腫瘍濃染の評価に有用であるかもしれないが、インターベンションを計画する際にDSAを置き換えることはできない。

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2010/04/08

3T領域別灌流画像を用いた富血管性脳実質外腫瘍の血管供給の評価

論文タイトル
Assessment of Vascular Supply of Hypervascular Extra-Axial Brain Tumors with 3T MR Regional Perfusion Imaging
論文タイトル(訳)
3T領域別灌流画像を用いた富血管性脳実質外腫瘍の血管供給の評価
DOI
10.3174/ajnr.A1847
ジャーナル名
American Journal of Neuroradiology  American Society of Neuroradiology
巻号
American Journal of Neuroradiology Vol. 31, No. 3 (554-558)
著者名(敬称略)
笹尾 明、平井 俊範 他
所属
熊本大学大学院生命科学研究部 放射線診断学分野

抄訳

目的:外頸動脈から栄養される脳実質外腫瘍の血管供給は領域別灌流画像で検討されていない。本研究の目的は領域別灌流画像にて富血管性脳実質外腫瘍の血管供給の評価ができるかどうか、また、情報が得られるかどうかを明らかにすることである。 方法:対象は連続する8例の髄膜腫症例において3T MRIで通常のASLと領域別灌流画像を施行した。MRAの結果に基づき、外頸動脈に選択的ラベリングスラブを置いて領域別灌流画像を施行した。5例は外科手術前にDSAを行った。2名の神経放射線科医が独立して、画質、腫瘍灌流の程度、腫瘍血管領域の範囲を通常のASLと領域別灌流画像で評価した。 結果:通常のASLと領域別灌流画像の画質において読影に影響するものはなかった。通常のASLと領域別灌流画像によって同定された腫瘍血管領域の範囲の比較において、3例で一致、4例で部分的に異なり、1例で完全に不一致であった。観察者間の一致率は大変良好であった(κ=0.82)。DSAを施行した5例において、主要な血管供給が外頸動脈であった4例は一致もしくは部分的に不一致として評価された。血管供給が内頸動脈のみであった1例は完全に不一致と評価された。 結語:外頸動脈の選択的ラベリングによる領域別灌流画像は施行可能であり、富血管性脳実質外腫瘍の血管供給についての情報を提供する。

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2009/04/06

硬膜動静脈瘻のシャント部位の同定におけるDynaCT Digital Angiographyの有用性

論文タイトル
Efficacy of DynaCT Digital Angiography in the Detection of the Fistulous Point of Dural Arteriovenous Fistulas
論文タイトル(訳)
硬膜動静脈瘻のシャント部位の同定におけるDynaCT Digital Angiographyの有用性
DOI
10.3174/ajnr.A1395
ジャーナル名
American Journal of Neuroradiology  American Society of Neuroradiology
巻号
American Journal of Neuroradiology Vol. 30, No. 3 (487-491)
著者名(敬称略)
日宇 健 他
所属
長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態解析・制御学講座神経病態制御学

抄訳

【目的】硬膜動静脈瘻(DAVF)に対する治療においてシャント部位を特定することが治療戦略上必要不可欠である。脳血管撮影装置SIEMENS製AXIOM dBAから得られるDynaCT digital angiographyの有用性について検討した。
【方法】2006年以降のDAVF連続14症例(海綿静脈洞部7例、横-S状静脈洞部4例、テント部1例、上矢状静脈洞部2例)を対象とした。全例で外頸あるいは内頸動脈本幹からのrotational angiographyを施行し、このデータを用いて非差分画像からDynaCT digital angiographyを作製し、fistula point、feeder、drainerについて2D-DSAと比較検討した。
【結果】DynaCTではいずれも全例で同定され、特にfistula pointは周囲の骨との位置関係まで詳細に確認された。2D-DSAと比較し8例(57%)、12個の有用な情報が得られた。内訳はfistula point(n=7)、 feeder(n=1)、retrograde leptomeningeal drainageの同定(n=1)、drainer(n=1)、venous anomaly(n=2)であった。
【結論】DynaCTは空間分解能、密度分解能に優れ、シャント部位を含めたDAVFのすべての血管構築の評価が可能であった。このことはDAVFの血管内治療あるいは直達手術の際に非常に有用であり、また今後シャント部位を特定することで血管内治療におけるtarget embolizationへの応用も期待される。

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