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国内研究者論文紹介

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ユサコでは日本人の論文が掲載された海外学術雑誌に注目して、随時ご紹介しております。

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2020/12/08

消化管癌におけるゲノムワイドDNAメチル化解析

論文タイトル
Genome-Wide Analysis of DNA Methylation in Gastrointestinal Cancer
論文タイトル(訳)
消化管癌におけるゲノムワイドDNAメチル化解析
DOI
10.3791/61355
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (163), e61355
著者名(敬称略)
杉本 起一
所属
順天堂大学医学部下部消化管外科学

抄訳

DNAメチル化は、癌研究において重要かつ頻繁に認められるエピジェネティックな変化であり、その網羅的解析は、消化管悪性腫瘍におけるDNAメチル化を正確に解析するために有用である。 DNAメチル化の多方面におけるトランスレーショナルな意義を最大限活かすためには、DNAメチル化網羅的解析がどのように実行されるかを理解する必要がある。
DNAメチル化網羅的解析に用いられるMicroarray platformは、近年、飛躍的な進歩を遂げた。特に、Whole genome bisulfite sequencing (WGBS)と比較して、コストと処理時間において優れており、ヒトゲノムにおけるDNAメチル化網羅的解析の複雑な評価に用いられるようになった。
本プロトコールでは、DNAメチル化網羅的解析が消化管悪性腫瘍のバイオマーカー同定にどのように用いられるかについて、詳細な説明がなされており、特に、正確な結果を得るために必要な3つのステップについて理解することが重要であることを示している。

 

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2020/09/14

マウスへのレシニフェラトキシン脳室内投与法および疼痛行動解析

論文タイトル
Intracerebroventricular Treatment with Resiniferatoxin and Pain Tests in Mice
論文タイトル(訳)
マウスへのレシニフェラトキシン脳室内投与法および疼痛行動解析
DOI
10.3791/57570
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (163), e57570, doi:10.3791/57570 (2020)
著者名(敬称略)
福島 章紘、藤井 萌子、小野 秀樹
所属
武蔵野大学大学院薬科学研究科 薬科学専攻

抄訳

Transient receptor potential vanilloid type 1 (TRPV1)の強力なアゴニストであるレシニフェラトキシン(RTX)はTRPV1の長期的な脱感作を引き起こす。この脱感作モデルはTRPV1の機能を調べる方法のひとつとして用いられてきた。本稿ではRTXのマウス脳室内投与法を紹介するとともに、末梢TRPV1刺激および機械刺激を用いた疼痛試験法も併せて紹介する。RTX脳室内投与群は対照群と同等の疼痛反応を示したが、脳室内投与群ではアセトアミノフェンの鎮痛作用が抑制されたことから、RTX脳室内投与は中枢選択的なTRPV1脱感作を誘導することが示唆された。これまで末梢組織でのTRPV1の機能について多くの報告がなされているが、脳内TRPV1の機能については不明な点が多い。本マウスモデルは、中枢神経系に存在するTRPV1およびTRPV1発現細胞の生理機能の探索に用いることが可能と考えられた。なお本手法は他の薬物の中枢作用研究にも応用可能である。

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2020/07/22

IgA腎症で変動するmicroRNAについてモデルマウスを用いて解析する方法

論文タイトル
Detection of microRNA Expression in the Kidneys of Immunoglobulin a Nephropathic Mice
論文タイトル(訳)
IgA腎症で変動するmicroRNAについてモデルマウスを用いて解析する方法
DOI
10.3791/61535
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (161), e61535, doi:10.3791/61535 (2020)
著者名(敬称略)
金子 昌平 他
所属
自治医科大学附属さいたま医療センター 腎臓内科

抄訳

IgA腎症は末期腎不全に至る原因不明の原発性糸球体腎炎である。近年、microRNAがIgA腎症の病態や発症に関与すると報告されており、将来の新規バイオマーカーや新規治療対象になり得ることから、今後のさらなる研究が必要とされる。しかし、ヒト腎臓をサンプルとする研究は侵襲が大きく、一方で小動物を用いて研究する方法は確立していない。我々はIgA腎症モデルマウス(HIGAマウス)を用いてIgA腎症とmicroRNAの関連について解析する方法を報告した。HIGAマウスの腎臓からtotal RNAを抽出し、逆転写PCR法を実施することにより、IgA腎症で変動するmicroRNAを定量的に評価する事が出来る。この方法によりヒト腎臓を採取することなくIgA腎症とmicroRNAの関連について解析することが可能となる。

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2020/05/27

静脈グラフトを用いた血行再建手術における動脈圧負荷での内膜肥厚に関する研究のためのウサギ頚静脈置換モデル

論文タイトル
A Rabbit Venous Interposition Model Mimicking Revascularization Surgery using Vein Grafts to Assess Intimal Hyperplasia under Arterial Blood Pressure
論文タイトル(訳)
静脈グラフトを用いた血行再建手術における動脈圧負荷での内膜肥厚に関する研究のためのウサギ頚静脈置換モデル
DOI
10.3791/60931
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (159), e60931, doi:10.3791/60931 (2020)
著者名(敬称略)
西尾 博臣、升本 英利 他
所属
京都大学大学院医学研究科 心臓血管外科学

抄訳

 静脈グラフト(移植片)は、虚血性疾患の血行再建手術における自家血管グラフトとして一般的に使用されていますが、静脈に対する動脈圧負荷による内膜肥厚のため、長期開存性は依然として低いままです。本プロトコルは、ウサギ頚静脈を同側頚動脈に移植することにより、実験的に静脈内膜肥厚を再現するものです。このプロトコルは体表・皮下脂肪層までの深さの外科的処置のみで完結でき、切開の範囲も限られているため、動物にとって侵襲が低く、移植後の長期観察が可能です。このプロトコルにより、研究者は移植された静脈グラフトの内膜肥厚の進行を抑制する方法に関する研究を行うことができます。例えばこのプロトコルを使用して、我々はこれまでに、血管平滑筋細胞の表現型を増殖型から分化型(非増殖型)に制御することが知られているmicroRNA-145による静脈グラフトの内膜肥厚抑制効果を示すことが出来ました。

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