抄訳
メタロβラクタマーゼ(MBL)は3つのサブクラス(B1, B2およびB3)に分類され、活性中心に亜鉛を有する高域スペクトラムなβラクタマーゼである。Pseudoxanthomonas japonensisは環境中に生息するブドウ糖非発酵性グラム陰性桿菌であり、環状ゲノム上(染色体性)にB3のMBL遺伝子(blaPJMと命名)を有する。本酵素遺伝子は、配列多様性を認めるものの、Pseudoxanthomonas属の中で、周辺配列を含めて高い保存性が認められた。また、これらの一部が確率は低いながら外来性に緑膿菌に運ばれたという事実も報告されており、Pseudoxanthomonasは薬剤耐性因子のプールになっている可能性も示唆されている。本研究では、blaPJMの遺伝的特徴に加え、pETシステムを用いたPJM大量発現系からPJMの精製、酵素学的機能解析を行なっている。