本文へスキップします。

H1

国内研究者論文紹介

コンテンツ

ユサコでは日本人の論文が掲載された海外学術雑誌に注目して、随時ご紹介しております。

論文検索

(以下、条件を絞り込んで検索ができます。)

日本人論文紹介:検索
日本人論文紹介:一覧

2022/08/16

ヒドロ虫綱クラゲCladonema pacificumにおける幹細胞様細胞のFISH法とEdUラベリングによる検出

論文タイトル
Fluorescent In Situ Hybridization and 5-Ethynyl-2'-Deoxyuridine Labeling for Stem-like Cells in the Hydrozoan Jellyfish Cladonema pacificum
論文タイトル(訳)
ヒドロ虫綱クラゲCladonema pacificumにおける幹細胞様細胞のFISH法とEdUラベリングによる検出
DOI
10.3791/64285
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (186), e64285
著者名(敬称略)
冨士田壮佑(筆頭)、倉永英里奈、三浦正幸、中嶋悠一朗(責任・連絡) 
所属
東北大学大学院生命科学研究科(冨士田, 倉永)
東京大学大学院薬学系研究科(三浦、中嶋)

抄訳

イソギンチャク、サンゴ、クラゲなどの刺胞動物は、固着性のポリプや遊泳性のメデューサなど多様な形態と生活様式を示す。ヒドラやネマトステラといった刺胞動物のポリプの発生・再生には幹細胞や増殖細胞が寄与する。しかしながら、ほとんどのクラゲ、特にメデューサの段階での基礎的な細胞メカニズムはほとんど不明であることから、特定の細胞タイプを識別するための方法を開発することが重要である。本論文では、ヒドロ虫綱クラゲ Cladonema pacificum(和名:エダアシクラゲ)の幹細胞様の増殖細胞を可視化するプロトコルを報告する。Cladonemaに特徴的な分岐した触手は成体まで継続的に成長し、再生能力を維持するため、増殖細胞や幹細胞によって組織化される細胞メカニズムを研究するための研究モデルとなる。幹細胞マーカーを用いた蛍光in situハイブリダイゼーション(FISH)により幹細胞様細胞を検出し、S期マーカーである5-ethynyl-2'-deoxyuridine(EdU)のパルス標識により増殖細胞を同定することが可能である。FISHとEdU標識の両方を組み合わせることで、活発に増殖している幹細胞を検出することができ、この技術は非モデル生物である他のクラゲや動物種にも広く応用することが可能である。

論文掲載ページへ

2022/08/12

げっ歯類動物の頭部に一定の加速度を生じる受動的頭部上下動の適用

論文タイトル
Application of Passive Head Motion to Generate Defined Accelerations at the Heads of Rodents
論文タイトル(訳)
げっ歯類動物の頭部に一定の加速度を生じる受動的頭部上下動の適用
DOI
10.3791/63100
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (185), e63100
著者名(敬称略)
筆頭著者:前川 貴郊、 連絡著者:澤田 泰宏
所属
国立障害者リハビリテーションセンター研究所運動機能系障害研究部

抄訳

運動は様々な病気や運動器機能障害に効果を持つことが広く認められており、脳の疾患に対しても効果的であることが分かっている。しかしながら、運動効果の分子メカニズムの詳細は分かっていない。多くの身体運動、特にジョギングやウォーキングなどの有酸素運動では、足の着地時に頭部を含めた全身に衝撃が加わる。このことから、運動が持つ全身の恒常性維持の効果に物理的刺激を介した調節機構が関与している可能性が考えられる。この仮説を検証するために、適度な速度で運動させた時にげっ歯類の頭部に加わる加速度と同程度の上下方向の加速度を、受動的上下動によって、マウスの頭部に加えた。受動的頭部上下動は、脳内組織液を流動させ、前頭前皮質の神経細胞に物理的刺激を与え、セロトニン2A受容体の分布を細胞の表面から内部へと変化させ、セロトニンに対する応答性を低下させた。以上より、受動的頭部上下動が脳機能を調節し得ることが明らかとなった。本論文では受動的頭部振動を与える方法を記載している。

論文掲載ページへ

2022/08/08

CUBICを用いたマウス腎臓の3次元免疫染色法

論文タイトル
Whole-Kidney Three-Dimensional Staining with CUBIC
論文タイトル(訳)
CUBICを用いたマウス腎臓の3次元免疫染色法
DOI
10.3791/63986
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (185), e63986
著者名(敬称略)
長谷川 頌、南學 正臣
所属
東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科

抄訳

腎臓病が進行するメカニズムには未解明の点が多く、その原因の一つとして腎臓の構造や機能を立体的・包括的に把握する手段がないことが挙げられる。腎臓には様々な構造が存在するが、既存の病理学的手法は組織の断面の観察にとどまっており、障害による腎臓の構造や機能の変化を3次元で捉えることができなかった。
組織透明化は3次元構造を保ったまま組織の内部構造を観察するために発展してきた手法である。著者たちは東京大学システムズ薬理学教室との共同研究で、組織透明化手法CUBICと3次元免疫染色を組み合わせてマウス腎臓の様々な構造(交感神経、動脈、糸球体、近位尿細管、集合管)を可視化する手法を確立し、それを応用することで「急性腎障害後の腎交感神経障害 (Kidney Int. 2019;96:129-138.)」および「糖尿病腎症における腎エネルギー代謝変化 (Kidney Int. 2020;97:934-950.)」など様々な腎臓病の病態を明らかにしてきた。
本論文は、上記の研究で用いた腎臓の3次元病態解析の詳細な手順をビデオプロトコルの形で解説したものである。

論文掲載ページへ

2022/08/03

後肢懸垂モデルラットにおける廃用性歩容変化を包括的に理解する

論文タイトル
Comprehensive Understanding of Inactivity-induced Gait Alteration in Rodents
論文タイトル(訳)
後肢懸垂モデルラットにおける廃用性歩容変化を包括的に理解する
DOI
10.3791/63865
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (185), e63865
著者名(敬称略)
太治野  純一(筆頭)、伊藤 明良(連絡) 他
所属
オハイオ州立大学ウェクスナーメディカルセンター
京都大学大学院医学研究科 人間健康科学系専攻

抄訳

生体における廃用性変化は筋や骨の萎縮にとどまらず、動作の質的変化にも及ぶことが知られている。これらの動作変化を包括的に評価するため、ビデオ画像の3次元動作解析が近年用いられるようになった。しかし、統一された指標や評価基準は確立されておらず、同手法の普及を妨げる一因となっている。
そこで本論文では、3次元動作解析の手順を普遍的な形で示すことを目的に、後肢懸垂モデルラットの歩行動作解析を実施した。
Wistarラットを尾部懸垂によって後肢を免荷する懸垂群と通常飼育の対象群に分け、介入2週間後のトレッドミル上の歩行を3次元動作解析装置を用いて評価した。対象群と較べ、懸垂群では立脚相における膝・足関節の過伸展および股関節高位を示した。
3次元動作解析は客観性など利点が多い反面、検者によって実験手順が異なるなど普遍的な用法の周知は不足している。同手法の普及のためには、個別応用の元となる汎用性の高い基礎的知見が多く共有されることが望まれる。

論文掲載ページへ

2022/08/01

アディポネクチンは、糖ならびに脂質代謝の概日リズムを制御する

論文タイトル
Adiponectin regulates the circadian rhythm of glucose and lipid metabolism
論文タイトル(訳)
アディポネクチンは、糖ならびに脂質代謝の概日リズムを制御する
DOI
10.1530/JOE-22-0006
ジャーナル名
Journal of Endocrinology
巻号
Journal of Endocrinology Volume 254: Issue 2 Pages: 121–133
著者名(敬称略)
和田 平、榛葉 繁紀 他
所属
日本大学 薬学部 薬学科 健康衛生学研究室

抄訳

アディポネクチンは脂肪細胞から分泌され、糖・脂質代謝を調節するサイトカインである。血清アディポネクチン濃度は日内変動を示すが、アディポネクチンの効果が時間依存的であるかどうかは不明である。そこで本研究では、糖・脂質代謝の概日リズム形成におけるアディポネクチンの役割を解析した。アディポネクチン欠損により、マウスの活動量ならびに摂食量が増加した。またアディポネクチン欠損は、マウス肝臓および血清脂質レベルの概日リズムに変化を与えた。肝臓からの超低密度リポタンパク質-トリグリセリド分泌において時間依存性が認められたが、これはアディポネクチン欠損により失われた。また、アディポネクチン欠損マウスの耐糖能は、休息期では正常であったが活動期では低下していた。この活動期における耐糖能の低下は、インスリン分泌能の低下と関連していた。これらの結果は、アディポネクチンが肝臓の代謝の概日リズムの一部を制御していることを示唆している。

論文掲載ページへ

2022/07/28

ダイナミック造影MRIとDWI-ADCの正規化パラメータによる頭頸部癌治療後の変化と再発の鑑別

論文タイトル
Normalized Parameters of Dynamic Contrast-Enhanced Perfusion MRI and DWI-ADC for
Differentiation between Posttreatment Changes and Recurrence in Head and Neck Cancer
論文タイトル(訳)
ダイナミック造影MRIとDWI-ADCの正規化パラメータによる頭頸部癌治療後の変化と再発の鑑別
DOI
10.3174/ajnr.A7567
ジャーナル名
American Journal of Neuroradiology
巻号
Volume 43, Issue.7 (July 2022)
著者名(敬称略)
馬場 亮 他
所属
ミシガン大学放射線科神経放射線部門/東京慈恵会医科大学放射線医学講座

抄訳

【背景と目的】
頭頸部癌の画像検査による経過観察において、良性の治療後変化と再発の鑑別は臨床的に重要である。本研究の目的は正規化したdynamic contrast-enhanced MRI(DCE-MRI)とADCによる両者の鑑別の有用性を検討することである。
【患者と方法】
本研究ではDWI-ADCによる経過観察目的のDCE-MRIを受けた頭頸部癌の既往がある患者51名(25名が再発、26名が良性の治療後変化)を対象とした。 関心領域と参照領域の定量的、半定量的DCE-MRIパラメータとADCを解析した。正規化DCE-MRIパラメータと正規化DWI-ADCパラメータは関心領域を参照領域で割ることにより算出した。
【結果】
正規化した血漿の占める容積の割合(Vp)、細胞外血管外腔と血漿との間の体積移動定数(Ktrans)、曲線下面積(AUC)、wash in (WI)(nVp、nKtrans、nAUC、nWI)は再発が良性治療後変化より有意に高値であった(p = 0.003 - <0.001)。 正規化平均ADCは再発が良性治療後変化より有意に低値であった(p<0.001)。有意差のある正規化DCE-MRIパラメータ(nVp、nVe、nKtrans、nAUC、nWI)とnADCmeanの組み合わせの受信者動作特性曲線下面積は、0.97(95%信頼区間、0.93-1)であった。
【結論】
正規化DCE-MRIパラメータ、nADCmeanおよびそれらの組み合わせは頭頸部癌の再発と良性治療後変化を鑑別するのに有用であった。

 

 

論文掲載ページへ

2022/07/26

クッシング症候群副腎腺腫におけるステロイド合成酵素DNAメチル化の解析

論文タイトル
Association of DNA methylation with steroidogenic enzymes in Cushing’s adenoma
論文タイトル(訳)
クッシング症候群副腎腺腫におけるステロイド合成酵素DNAメチル化の解析
DOI
10.1530/ERC-22-0115
ジャーナル名
Endocrine-Related Cancer
巻号
Endocrine-Related Cancer Volume 29: Issue 8 Pages: 495–502
著者名(敬称略)
児玉尭也、沖 健司 他
所属
広島大学大学院 分子内科学(内科学第二)

抄訳

【背景】コルチゾール産生腺腫(CPA)における副腎ステロイド合成酵素のDNAメチル化によるコルチゾール合成機構はわかっていない.CPAにおけるステロイド合成酵素のDNAメチル化レベルを同定し,遺伝子発現との関連を明らかにすることを目的とした.
【方法】CPA25例と非機能性副腎皮質腺腫(NFA)6例を対象に,DNAメチル化ビーズアレイ解析とRNAシークエンス解析を行った.
【結果】CYP17A1遺伝子は,NFAに比べCPAで低メチル化を示し,転写領域2箇所のメチル化レベルが有意に低かった.また,CYP17A1遺伝子の3 領域でメチル化レベルとmRNA発現量が逆相関した.PRKACA変異CPAでは,GNAS変異CPAと比較し,CYP17A1遺伝子の低メチル化傾向を認めた.CYP17A1遺伝子のメチル化レベルとmRNA発現量を用いたクラスタリング解析で,PRKACA変異CPAはNFAおよびGNAS変異CPAと明確に区別された.
【考察】CPAでは,CYP17A1遺伝子の低メチル化がCYP17A1転写を制御し,特に,PRKACA変異CPAで,その関連が強かった.

 

 

論文掲載ページへ

2022/07/25

グラム陽性細菌がABCトランスポーターによって遊離ヘムを解毒する仕組みを解明

論文タイトル
Structural basis for heme detoxification by an ATP-binding cassette–type efflux pump in gram-positive pathogenic bacteria
論文タイトル(訳)
グラム陽性細菌がABCトランスポーターによって遊離ヘムを解毒する仕組みを解明
DOI
10.1073/pnas.2123385119
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences
巻号
PNAS2022  Vol. 119  No. 27  e2123385119
著者名(敬称略)
中村寛夫、久野玉雄、白水美香子他
所属
理化学研究所生命機能科学研究センタータンパク質機能・構造研究チーム

抄訳

ヘムは生物にとって重要なタンパク質コファクターであるが遊離状態では毒にもなる。病原菌は主に宿主のヘモグロビンのヘムを鉄源として奪い増殖するが、このとき生ずる遊離ヘムの毒性を回避するためにグラム陽性細菌ではヘムに特異的なATP-binding cassette (ABC)排出ポンプ(HrtBA)が働いていると考えられている。本研究では組換え大腸菌を用いたHrtBAタンパク質によるヘム解毒、生化学的機能解析、エックス線結晶構造解析を行った。その結果、ヘムは難溶性であることから細胞膜にインターカレートして毒性を発揮するが、HrtBAの膜貫通ドメインの細胞膜外葉付近に結合すること、ATPがHrtBAの細胞質側にあるヌクレオチド結合ドメインに結合すると膜貫通ドメインのヘム結合部位が収縮してヘムが解離すること、ATP加水分解でこれらのステップがターンオーバーすることで細胞膜からヘムが汲み出されることがわかった。HrtBAを欠損したグラム陽性細菌は血液中では増殖が抑制されることから本研究による生化学アッセイや立体構造に基づく阻害剤スクリーニングはグラム陽性細菌によって引き起こされる敗血症や髄膜炎の予防、治療に貢献できると思われる。



図。ヘム排出ポンプHrtBAが細胞膜からヘムを汲みだす出すモデル
ATPが結合していない時(フリー型)ではHrtB膜貫通ヘリクスが横にずれていて、細胞膜にあるヘムが膜貫通ヘリクスに結合する(ヘム型)。ヘムが細胞膜外葉付近に結合していることがわかる。このあと、ATPがHrtAサブユニットに結合すると、膜貫通ヘリクスが縮小してヘムが追い出される。ボールモデルはヘムを認識するアスパラギン酸で、ヘムが配位するとATP加水分解活性が上昇する働きに必要なアミノ酸である。

 

 

論文掲載ページへ

2022/07/20

インプリンティング疾患を除いたSGA性低身長における病的コピー数異常および病的遺伝子バリアントの関与

論文タイトル
Pathogenic Copy Number and Sequence Variants in Children Born SGA With Short Stature Without Imprinting Disorders
論文タイトル(訳)
インプリンティング疾患を除いたSGA性低身長における病的コピー数異常および病的遺伝子バリアントの関与
DOI
10.1210/clinem/dgac319
ジャーナル名
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
巻号
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism Volume 107, Issue 8, August 2022, Pages e3121–e3133
著者名(敬称略)
原 香織 (筆頭著者), 鏡 雅代 (連絡著者) 他
所属
国立成育医療研究センター研究所分子内分泌研究部

抄訳

SGA性低身長症 (SGA-SS) の原因は、インプリンティング疾患 (IDs)、病的コピー数異常 (PCNVs)、成長に関連する遺伝子の病的遺伝子バリアントなど、多岐に渡るが、これらを包括的に検討した報告は非常に少ない。
本研究では、原因不明SGA-SS 140例に対し、はじめに臨床像評価とメチル化解析を実施し、IDs 46例 (Silver-Russell症候群 42例、その他のIDs 4例) を除外した。次に、十分な検体量を有する86例に対してarray Comparative Genomic Hybridization解析、次世代シーケンシングを実施し、PCNVs 8例、候補遺伝子バリアント 11例 (pathogenic 5例、Variants of unknown significance 6例) を同定した。
本研究は、IDsを除いたSGA-SSにおけるPCNVsおよび病的遺伝子バリアントの正確な寄与を明確にした。

論文掲載ページへ

2022/07/19

生体内二光子イメージング法によるマウス海馬ミクログリアの慢性観察

論文タイトル
In vivo Chronic Two-Photon Imaging of Microglia in the Mouse Hippocampus
論文タイトル(訳)
生体内二光子イメージング法によるマウス海馬ミクログリアの慢性観察
DOI
10.3791/64104
ジャーナル名
Journal of Visualized Experiments(JoVE)
巻号
J. Vis. Exp. (185), e64104
著者名(敬称略)
亀井 亮佑、岡部 繁男 他
所属
東京大学大学院医学系研究科 神経細胞生物学

抄訳

脳の免疫細胞であるミクログリアは、シナプス可塑性や神経活動を調節し、神経回路の維持に寄与している。近年、ミクログリアの脳領域ごとの不均一性が注目され、特に海馬では、神経回路の発達やその記憶に関連した機能に、ミクログリアによるシナプスリモデリングが関与しているようだ。海馬ミクログリアの挙動を生体内で観察する意義は大きいが、手術により生じる炎症が問題となる。
本論文では、マウス海馬CA1全層のミクログリアを、生体内で慢性的に二光子観察する方法を解説する。この方法では、術直後の炎症は数週以内に鎮静化し、以降1か月以上にわたって、静止型ミクログリアの突起の形態変化を解析することができる。ラミファイド型ミクログリアの長期かつ高分解能なイメージングには、手術侵襲の最小化とイメージング手法の最適化が肝要である。神経細胞とミクログリアとの二色イメージング法も提示し、海馬の複数細胞種の相互作用の観察基盤を提供する。本手法により、海馬におけるミクログリア機能の解明が進展することが期待される。

論文掲載ページへ