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国内研究者論文詳細

日本人論文紹介:詳細

2017/03/22

視交叉上核における同期する膜電位リズムと非同期するカルシウムリズム

論文タイトル
Synchronous circadian voltage rhythms with asynchronous calcium rhythms in the suprachiasmatic nucleus
論文タイトル(訳)
視交叉上核における同期する膜電位リズムと非同期するカルシウムリズム
DOI
10.1073/pnas.1616815114
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences National Academy of Sciences
巻号
Published online before print March 7, 2017
著者名(敬称略)
榎木 亮介 他
所属
北海道大学大学院医学研究科 光バイオイメージング部門

抄訳

 ほ乳類の概日リズムの中枢である脳の視交叉上核は、数万個の神経細胞からなるネットワークを形成している。神経細胞の活動は膜電位変化の情報となって出力されるため,生物時計がどのように生体機能の24時間リズムを調節しているかを調べるには,多数の視交叉上核神経細胞から膜電位変化を長期間(数日間)計測することが必要である。
 本研究では,蛍光膜電位センサーを多数の視交叉上核の神経細胞に発現させ,膜電位変化を数日間測定することを試みた。さらに,赤色カルシウムセンサーを同時に神経細胞特異的に発現させることで,数百~千個の神経細胞から膜電位と細胞内カルシウムの概日リズムを同時計測を行った。
 その結果,細胞内カルシウムの概日リズムは視交叉上核内で特徴的な時空間パターンを示し,個々の神経細胞間でリズムは同期していなかった。一方で,膜電位のリズムは神経細胞全体で同期していた。今回の研究で,神経ネットワークが特異的なリズム位相をもつ細胞種を統一して,同期した出力を作り出していることが分かった。

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2017/03/10

ゼブラフィッシュ原腸形成における協調的な組織拡張の物理的基盤

論文タイトル
The Physical Basis of Coordinated Tissue Spreading in Zebrafish Gastrulation
論文タイトル(訳)
ゼブラフィッシュ原腸形成における協調的な組織拡張の物理的基盤
DOI
10.1016/j.devcel.2017.01.010
ジャーナル名
Developmental Cell Cell Press
巻号
volume 40, issue 4, page 354-366
著者名(敬称略)
森田 仁 他
所属
山梨大学医学部医学教育センター

抄訳

 原腸形成期は脊椎動物の初期発生に共通して見られる現象で、将来の器官形成のための基礎を作る重要な過程である。しかし、原腸形成の開始がどのように制御されているのかはよく分かっていなかった。本論文で私たちは、モデル脊椎動物のゼブラフィッシュの胚を用いて、生物学的手法と物理学的手法を組み合わせた学際的なアプローチによってその解明に取り組んだ。
 顕微鏡タイムラプス画像から定量化した胚の形態変化のデータと、私たちが考案した胚の形態を表す物理モデルのシミュレーションを用いて、原腸形成の開始に必要な細胞・組織の動きを定量的な観点から予想し、それを元に実験もしくはモデルでの検証を行うというプロセスを繰り返すことでその実体に迫っていった。その過程で、胚の表層細胞を移植する技術を新たに開発し、また不均一な胚の表層張力計測のためのモデルの考案と実験手法の確立を行った。その結果、原腸形成の開始には表層細胞層の張力低下と拡張が重要であることを解明するに至った。
 今後は表層細胞の拡張から原腸形成開始に至る過程の分子メカニズムを明らかにするとともに、他の生物種や組織における表層細胞による同様な形態形成運動の制御機構の有無を検証することが期待される。

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2017/02/13

ロタウイルスにおけるリバースジェネティクス系の確立

論文タイトル
Entirely plasmid-based reverse genetics system for rotaviruses
論文タイトル(訳)
ロタウイルスにおけるリバースジェネティクス系の確立
DOI
10.1073/pnas.1618424114
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America National Academy of Sciences
巻号
Published online before print January 30, 2017
著者名(敬称略)
金井 祐太 小林 剛 他
所属
大阪大学微生物病研究所

抄訳

 ロタウイルスは乳幼児に下痢や嘔吐を引き起こすウイルスで、医療の発展が遅れている開発途上国では、ロタウイルス感染によって死亡する乳幼児が多く存在する。ロタウイルスについては、これまでウイルス遺伝子を人工的に操作できる技術の開発が遅れていたことから、ロタウイルスの基礎・応用研究を進める上で大きな障壁となっていた。我々は、ロタウイルスの11分節のRNAゲノムを発現するプラスミドに加えて、組換えウイルスの合成を促進する因子として、細胞融合性タンパク質FASTとワクシニアウイルス由来のRNAキャッピング酵素を利用することで、組換えロタウイルスの人工合成に成功した。さらに、この技術を応用し、抗インターフェロン作用を示すウイルスタンパク質に変異を加えることで増殖能が低下したウイルスや、レポーター遺伝子を発現するウイルスの作製に成功した。本研究成果により、ロタウイルス遺伝子の任意の改変が可能となり、ウイルス増殖機構の解明や、新規ロタウイルスワクチンの開発研究などが飛躍的に進展すると期待される。

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2017/02/06

大豆および納豆摂取と循環器疾患死亡リスクについて:高山スタディから

論文タイトル
Dietary soy and natto intake and cardiovascular disease mortality in Japanese adults: the Takayama study
論文タイトル(訳)
大豆および納豆摂取と循環器疾患死亡リスクについて:高山スタディから
DOI
10.3945/?ajcn.116.137281
ジャーナル名
American Journal of Clinical Nutrition American Society for Nutrition
巻号
AJCN Online December 7, 2016
著者名(敬称略)
永田 知里 他
所属
岐阜大学大学院医学系研究科 疫学・予防医学分野

抄訳

1992年、高山市住民約3万人からなる前向きコホート研究が開始した。開始時には、アンケート調査にて、食習慣を含む生活習慣、既往歴等の情報を得た。食習慣の評価には食物摂取頻度調査票が用い、大豆蛋白、大豆イソフラボン、納豆等の摂取量を推定した。このコホート(29,079名)の16年間の追跡により、脳卒中、虚血性心疾患を含む計1,678の循環器疾患死亡が把握された。納豆高摂取群(摂取量が全集団の上位25%)では、低摂取群(下位25%)に比べ、全循環器疾患死亡のリスクが25%有意に低下しており、脳卒中、特に脳梗塞のリスクもそれぞれ32%、33%と低下していた。大豆蛋白、大豆イソフラボン、納豆以外の大豆製品の摂取は全循環器疾患死亡リスクと有意な関連性は示さなかったが、大豆蛋白高摂取群では、脳卒中死亡リスクが25%と有意に低下していた。納豆摂取が循環器疾患死亡リスクを下げることが示唆されたが、大豆蛋白に関する結果から、他の大豆製品もリスク低下の可能性がある。

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2017/01/25

緑豆タンパク (Mung bean protein isolate / MPI) の非アルコール性脂肪性肝疾患の予防・治療における有用性

論文タイトル
Dietary Mung Bean Protein Reduces Hepatic Steatosis,Fibrosis,and Inflammation in Male Mice with Diet-Induced,Nonalcoholic Fatty Liver Disease
論文タイトル(訳)
緑豆タンパク (Mung bean protein isolate / MPI) の非アルコール性脂肪性肝疾患の予防・治療における有用性
DOI
10.3945/?jn.116.231662
ジャーナル名
Journal of Nutrition American Society for Nutrition
巻号
Vol. 147 No. 1
著者名(敬称略)
渡邉 一史,井上 啓 他
所属
金沢大学新学術創生研究機構革新的統合バイオ研究コア栄養・代謝研究ユニット

抄訳

非アルコール性脂肪性肝疾患 (NAFLD) は、肝細胞への中性脂肪蓄積に伴い、肝細胞障害を来す疾患の総称であり、人口の20-30%が罹患している。非アルコール性脂肪肝の一部の症例では、炎症や線維化を伴う脂肪肝炎へと進展することが知られ、食事療法を含めたNAFLDの予防・治療法の開発が進められている。今回、我々は、NAFLD予防作用をもつタンパク食品として緑豆タンパク (Mung bean protein isolate / MPI)を見出した。マウスでの摂餌実験から、MPIは、体重およびインスリン感受性に関しては、対照と明らかな作用の差を示さなかったが、通常食飼育・高脂肪食飼育の両条件において、肝脂肪合成関連遺伝子の発現を抑制し、肝中性脂肪含量を減少させた。肝臓炎症・繊維化を来す高脂肪高コレステロール食負荷NASH誘導モデルにおいて、MPI摂取群では、対照群と比して、脂肪肝と線維化の改善、肝臓炎症性サイトカインの発現減少を呈した。これらの知見は、緑豆タンパクが、強力な肝臓脂肪蓄積軽減作用を有し、肝臓の炎症・繊維化の抑制を期待しうるNAFLD進展予防食品として有用であることを示唆している。

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2017/01/23

シアル酸模倣ペプチドを修飾したダイヤモンド電極によるインフルエンザウイルスの高感度検出

論文タイトル
Highly sensitive detection of influenza virus by boron-doped diamond electrode terminated with sialic acid-mimic peptide
論文タイトル(訳)
シアル酸模倣ペプチドを修飾したダイヤモンド電極によるインフルエンザウイルスの高感度検出
DOI
10.1073/pnas.1603609113
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences National Academy of Sciences
巻号
PNAS Published online before print July 25, 2016
著者名(敬称略)
松原 輝彦、佐藤 智典 他
所属
慶應義塾大学理工学部バイオ分子化学研究室

抄訳

 インフルエンザの早期治療を開始して重症化を防ぐためには、感染初期における迅速な診断が必要です。しかし現在、臨床現場で使われている迅速診断キットは感度が低く、発症直後の少ないウイルス量でも利用できる高感度に検出するデバイスの開発が望まれています。
 ウイルスがヒトに感染するときに使われる糖鎖受容体は亜型に関係なく共通しています。本論文では、この受容体を機能的に模倣するペプチドをダイヤモンド電極に修飾したデバイスを開発し、季節性インフルエンザウイルスの検出に成功しました。ここで用いる電極はホウ素をドープしたダイヤモンド(boron-doped diamond, BDD)であり、生体分子の吸着が少ないなどの優れた特徴を有しています。電極デバイスの感度はとても高く、発症直後で採取される程度の少ないウイルス量(20 pfu程度:pfuはプラーク形成単位)を検出することが可能でした。
 今後、季節性ウイルスのみならず新型ウイルスの迅速診断や、携帯が可能な小型の電気化学デバイスでの実用化が期待できます。

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2016/11/28

JRAB/MICAL-L2の1分子構造変化が制御する集団的細胞運動

論文タイトル
Conformational plasticity of JRAB/MICAL-L2 provides ”law and order” in collective cell migration
論文タイトル(訳)
JRAB/MICAL-L2の1分子構造変化が制御する集団的細胞運動
DOI
10.1091/mbc.E16-05-0332
ジャーナル名
Molecular Biology of the Cell American Society for Cell Biology
巻号
Mol.Biol.Cell October 15, 2016 vol.27 no.20 (3095-3108)
著者名(敬称略)
坂根 亜由子、佐々木 卓也 他
所属
徳島大学大学院医歯薬学研究部 医科学部門 生化学分野

抄訳

複数の細胞からなる細胞集団の運動(集団的細胞運動)は、胎生期の組織・器官形成の過程だけでなく、創傷治癒やがん転移などでも広く認められる。本研究では、低分子量Gタンパク質Rab13の標的タンパク質であるJRABというたった1分子の構造変化に着目して、生化学、細胞生物学、コンピュータサイエンス、バイオインフォマティクス、バイオメカニクスといった異分野領域の融合研究によって複雑・高次な集団的細胞運動の制御機構の解明を試みた。
まず、バイオインフォマティクスと生化学的実験を組み合わせた手法でJRABのRab13との結合による構造変化モデルを示した。さらに、JRABの野生型や構造変異体(open formとclosed form)を発現させた3種類の細胞集団の動きの異なった特徴をライブイメージング像の時空間ボリュームレンダリングによる解析で抽出・可視化に成功するとともに、オプティカルフローと主成分分析を組み合わせた画像の輝度変化に強い手法を開発し、従来法では困難だった細胞集団の動きの計算と膨大な情報の定量的な解析を実現した。また、開発したバイオメカニクスの手法を用いた解析では、closed form のJRABが細胞集団の先頭の一部で集団を引っ張るのに必要な力を生み出していることが明らかになった。
以上の研究成果により、構造を自由に変化できる野生型のJRABは、open formやclosed form変異体と比較して最も効率の良い細胞集団の動きを可能にすることを証明できた。

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2016/09/20

ネクチンスポット:ネクチン依存性の新規細胞間接着装置

論文タイトル
Nectin spot:a novel type of nectinーmediated cell adhesion apparatus
論文タイトル(訳)
ネクチンスポット:ネクチン依存性の新規細胞間接着装置
DOI
10.1042/BCJ20160235
ジャーナル名
Biochemical Journal Biochemical Society
巻号
Biochemical Journal Vol.473 No.18 (2691-2715)
著者名(敬称略)
水谷 清人,高井 義美
所属
神戸大学大学院医学研究科 生化学・分子生物学講座 シグナル統合学分野 病態シグナル学部門

抄訳

ネクチンは4つのメンバーからなるファミリーを構成するCa2+非依存性の細胞間接着分子で、様々な細胞間接着装置の形成を担っている。このような接着装置には少なくとも3種類存在することが分かっており、(1)アファディン依存性かつカドヘリン依存性、(2)アファディン依存性でカドヘリン非依存性、(3)アファディン非依存性かつカドヘリン非依存性のものに分けられる。ネクチンは、ネクチンやネクチン様分子(Necls)、他の免疫グロブリンスーパーファミリーに属する分子とトランスに相互作用する。さらに、ネクチンやNeclsは同一細胞膜上で膜受容体やインテグリンとシスに相互作用する。これらの相互作用を介して、ネクチンやNeclsは細胞の極性形成、運動、増殖、分化、生存などの細胞機能を制御している。また、ネクチン依存性の細胞間接着は遺伝性疾患、精神神経疾患、がんなどの病態と関与している。ネクチン依存性の細胞間接着のうち、アファディン依存性かつカドヘリン依存性の接着装置に関する研究が最も進められていたが、近年、アファディン非依存性かつカドヘリン非依存性の接着装置の存在が明らかになり、その形態学的特性や機能的特性が分かりつつある。本総説では、私どもがネクチンスポットと名付けたこの新規ネクチン依存性細胞間接着に関する最新の知見を紹介する。

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2016/09/20

精嚢分泌タンパク質SVS3とSVS4は精子受精能獲得におけるSVS2の働きを促進する

論文タイトル
Seminal vesicle proteins SVS3 and SVS4 facilitate SVS2 effect on sperm capacitation
論文タイトル(訳)
精嚢分泌タンパク質SVS3とSVS4は精子受精能獲得におけるSVS2の働きを促進する
DOI
10.1530/REP-15-0551
ジャーナル名
Reproduction Bioscientifica
巻号
Reproduction Vol.152 No.4 (313-321)
著者名(敬称略)
荒木 直也,吉田 学 他
所属
東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所

抄訳

雄性性腺付属器官の1つである精嚢から分泌されるタンパク質SVSs(Seminal Vesicle Secretions)は、精漿の主要成分として交尾や受精において重要な機能を有している。マウスでは主要なSVSsとして7種類のタンパク質が知られ(SVS1~7)、そのうちSVS2が、子宮における精子の生存と受精能の調節に必須であることを報告してきた。本研究では、SVS2以外のSVSsの受精能獲得に対する影響を調べるために、SVS3とSVS4の作用を評価した。
まず、SVS4はSVS2と同様に単独で精子の受精能獲得を抑制した。SVS3は単独では受精能獲得を抑制しなかったが、SVS2と共処理することでSVS2単独よりも強い抑制作用を示した。一方、SVS3とSVS4は既に獲得した受精能を破棄させる作用は示さなかった。SVS2と同様に、SVS3とSVS4はどちらもガングリオシドGM1に対する結合性を有していた。さらに、SVS3はSVS2と高い親和性を持つことが明らかとなった。
以上より、in vivoにおける精子受精能の調節には、SVS2が中心となって働く他に、SVS3およびSVS4が補完的に働くと考えられる。

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2016/09/15

日常生活の光曝露と肥満リスク:平城京コホートスタディ縦断分析

論文タイトル
Ambient Light Exposure and Changes in Obesity Parameters: A Longitudinal Study of the HEIJO-KYO Cohort
論文タイトル(訳)
日常生活の光曝露と肥満リスク:平城京コホートスタディ縦断分析
DOI
10.1210/jc.2015-4123
ジャーナル名
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism Endocrine Society
巻号
JCEM Vol.101 No.9 (2016) pp.3539?3547
著者名(敬称略)
大林 賢史 他
所属
奈良県立医科大学 地域健康医学講座

抄訳

先行疫学研究で夜間光曝露と肥満の関連が示唆されているが、これまでの結果は横断分析に限られていた。本研究の目的は日常生活の光曝露とその後の肥満指標の変化の関連を縦断的に明らかにすることである。対象者は平城京コホートスタディのベースライン調査参加者1110人(平均年齢71.9歳)と追跡調査参加者766人(追跡期間中央値 21ヵ月)である。ベースライン調査で日常生活の光曝露を客観的に2日間持続測定し、ベースライン時と追跡時の腹囲身長比(WHtR)および体格指数(BMI)を計測した。年齢や性別、カロリー摂取量、身体活動量、睡眠覚醒指標などの潜在的交絡因子を調整した多変量混合線形回帰分析モデルで、就寝前4時間から夜間就寝中の光曝露量が多いことが、その後のWHtRの増加と有意に関連していた。また起床後4時間で500ルクス以上の光曝露時間が長いこと、夜間就寝中に3ルクス未満の時間が長いことが、その後のWHtRの減少と有意に関連していた。これらの結果はBMIを肥満指標とした場合でもほぼ同様であった。夜間就寝中の光曝露量が多い群(平均照度3ルクス以上)では、少ない群(3ルクス未満)に比べて、その後10年間でWHtRが10.2%、BMIが10.0%増加すると推定された。本研究の結果から、就寝前4時間から夜間就寝中の光曝露量は多いほど、起床後4時間の光曝露量が少ないほど、WHtRやBMIなどの肥満指標が増加することが明らかになった。肥満予防に最適な光環境を検討するために今後の介入研究が必要である。

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2016/08/12

先天性リポイド副腎過形成症における性腺へのマクロファージの浸潤

論文タイトル
Gonadal macrophage infiltration in congenital lipoid adrenal hyperplasia
論文タイトル(訳)
先天性リポイド副腎過形成症における性腺へのマクロファージの浸潤
DOI
10.1530/EJE-16-0194
ジャーナル名
European Journal of Endocrinology BioScientifica
巻号
Eur J Endocrinol Vol.175 No.2 (127-132)
著者名(敬称略)
石井 智弘 他
所属
慶應義塾大学医学部小児科学教室

抄訳

本研究は、先天性リポイド副腎過形成症症例の性腺を免疫組織化学染色およびオイルレッドO染色など組織学的に解析し、成人期卵巣において有意にマクロファージが浸潤していることを初めて示したものである。1歳時の精巣では有意なマクロファージ数の増加は見られなかったが、22歳および40歳の卵巣では脂肪滴で泡沫化した莢膜細胞周辺の卵胞上皮と周囲にステロイド産生細胞のない間質にマクロファージの集族が認められた。さらに、莢膜細胞のみならず、卵巣間質に集族したマクロファージの細胞質にも脂肪滴が著明に蓄積していることが明らかにされた。この結果はsteroidogenic acute regulatory protein (StAR)ノックアウトマウスの新生仔の副腎皮質で得られた所見と合致する。先天性リポイド副腎過形成症の性腺や副腎皮質では、肥満の脂肪組織と同様にマクロファージ浸潤によるリモデリングが生じている可能性が示唆される。

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2016/07/20

家族性偽性副甲状腺機能低下症1bを招くGNAS領域の複雑染色体再構成

論文タイトル
Complex Genomic Rearrangement Within the GNAS Region Associated With Familial Pseudohypoparathyroidism Type 1b
論文タイトル(訳)
家族性偽性副甲状腺機能低下症1bを招くGNAS領域の複雑染色体再構成
DOI
10.1210/jc.2016-1725
ジャーナル名
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism Endocrine Society
巻号
JCEM Vol.101 No.7 (2016) pp.2623?2627
著者名(敬称略)
中村 明枝、深見 真紀 他
所属
国立成育医療研究センター 分子内分泌研究部

抄訳

家族性偽性副甲状腺機能低下症(PHP)1bは、GNAS 領域のメチル化異常に起因する内分泌疾患である。2015年、PHP症例においてGNAS領域の重複を示唆する所見が報告されたが、ゲノム構造は決定されていない。
我々は、家族性PHP1b症例においてGNAS領域のゲノム再構成を同定し、全ゲノムシークエンス解析によってその構造と成立機序を解明した。PHP1bと診断された発端者、母、母方叔父のゲノムDNAを用いたメチル化解析で、GNAS A/B、NESP55の低メチル化、ASXLASの高メチル化を同定した。ゲノム再構成はNESP55ASXLASを包含するタンデムTriplicationおよびGNAS A/Bを包含するタンデムDuplicationで、GNAS翻訳領域のコピー数変化はなかった。母方祖母も同一のゲノム再構成を有したが、GNAS A/Bのメチル化は正常であった。本症例では、GNAS A/Bに対するシス因子のDNAメチル化制御機構の破綻によってGNAS発現調節異常が生じると推測される。ゲノム再構成は母由来アレルに存在する時にGNAS A/Bの低メチル化を招くが、母方祖母ではゲノム再構成が父由来であったためGNAS A/Bのメチル化は維持されたと推測される。以上の成績は、ヒト遺伝病の新たな発症機序を示唆するものである。

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2016/06/27

エストロゲンは骨格筋と筋幹細胞の機能維持に重要である

論文タイトル
Estrogens maintain skeletal muscle and satellite cell functions
論文タイトル(訳)
エストロゲンは骨格筋と筋幹細胞の機能維持に重要である
DOI
10.1530/JOE-15-0476
ジャーナル名
Journal of Endocrinology BioScientifica
巻号
J of Endocrinology Vol.229 No.6 (2016) 267-275
著者名(敬称略)
北島 百合子、小野 悠介
所属
長崎大学原爆後障害医療研究所 幹細胞生物学研究分野(原研幹細胞)

抄訳

エストロゲンは,全身を通して組織や臓器に広く作用し,生体恒常性を維持している。そのため,エストロゲン分泌を減少させる過酷なダイエットによるエネルギー不足や閉経による卵巣機能低下は,骨粗鬆症を含む様々な病態の引き金となる。骨格筋はエストロゲン受容体を発現するが,骨格筋の機能維持におけるエストロゲンの役割は詳しくわかっていない。我々は,若齢雌性マウスの卵巣を摘出し,長期のエストロゲン欠乏状態が骨格筋に与える影響を検証した。その結果,エストロゲン欠乏により,筋力低下,筋萎縮,筋線維型の速筋化が観察された。さらに,骨格筋の修復・再生に欠かせない筋幹細胞を調べたところ,エストロゲン欠乏により,その数に変化は認められなかったものの,増殖・分化・自己複製などの幹細胞としての機能が著しく低下していた。薬剤により筋損傷を誘導したところ,エストロゲン欠乏マウスは不完全な筋再生を呈した。以上の結果から,エストロゲンは,骨格筋のみならず筋幹細胞にも作用し,筋力維持や筋再生に重要な役割を果たしていることが明らかになった。本研究は,女性特有の骨格筋の機能維持メカニズムの存在を示す所見である。

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2016/06/20

到達運動の学習を推進する運動野からもたらされる誤差の信号

論文タイトル
Error Signals in Motor Cortices Drive Adaptation in Reaching
論文タイトル(訳)
到達運動の学習を推進する運動野からもたらされる誤差の信号
DOI
10.1016/j.neuron.2016.04.029
ジャーナル名
Neuron Cell Press
巻号
Neuron Volume 90, Issue 5, p1114?1126, 1 June 2016
著者名(敬称略)
井上 雅仁 北澤 茂 他
所属
大阪大学 大学院 生命機能研究科 ダイナミックブレインネットワーク研究室

抄訳

目標に手を伸ばす運動は,プリズムにより視野をずらしたり外乱をあたえたりすると誤差を減らすように順応する。大脳皮質の運動野が誤差の信号を提供するという仮説が提唱された一方で,ヒトの脳機能イメージング法においては頭頂葉の連合野だけが誤差を表現すると報告されてきた。運動野は本当に誤差の信号を提供して学習を推進するのだろうか。筆者らは,サルを用いて1次運動野および運動前野が到達運動の終点の誤差の情報を表現することを確かめた。さらに,運動の直後に微小な電気刺激をあたえることにより,誤差は試行を重ねるごとに徐々に蓄積し,その残効は徐々に減少することが明らかにされた。これらの結果から,運動野から発せられる到達運動の誤差の信号は順応を推進することが明確に示された。

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2016/06/07

大域的に伝播する波に埋め込まれた神経の瞬間的な同期活動が安静時機能結合の元になっている

論文タイトル
Transient neuronal coactivations embedded in globally propagating waves underlie resting-state functional connectivity
論文タイトル(訳)
大域的に伝播する波に埋め込まれた神経の瞬間的な同期活動が安静時機能結合の元になっている
DOI
10.1073/pnas.1521299113
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences National Academy of Sciences
巻号
PNAS Published online before print May 16, 2016
著者名(敬称略)
松井 鉄平 他
所属
東京大学大学院医学系研究科統合生理学教室 (著者の方の了解をいただき、所属URLは九州大学にリンクしております)

抄訳

安静時機能結合(FC)は非侵襲的な脳のネットワークの研究に広く使われるツールであり、離れた脳部位における血流信号(HemoS)の相関により測られる。機能的結合の空間的なパターンは、血流信号の背後にある神経活動の空間パターンを反映するものと考えられている。これまでの自発的神経活動の研究では、大脳皮質全体を伝播する波のような活動から、解剖学的に繋がった脳領野の瞬間的な同期発火まで、様々な時空間パターンが見つかってきた。しかしながら、これらの様々なパターンが互いにどのような関係にあるのかは良く分かっていなかった。また、これら種々の時空間パターンが機能的結合に寄与するかどうかも不明であった。我々は今回このような問題を解決するために、マウスの大脳皮質全体において、神経活動由来のカルシウム信号(CaS)と血流信号を高時空間解像度で同時記録した。我々は二つの異なって見える活動パターン(大域的に伝播する活動の波と機能的結合の高い脳部位の瞬間的な同期活動)が、実は互いに関係していることを発見した。大域的な活動伝播の中では、それぞれが強い機能的結合で結ばれているような脳部位の組み合わせのうち、異なる組み合わせが異なる瞬間において同期発火しており、このことは機能的結合の持つ空間的な情報は大域的な活動伝播の位相情報として埋め込まれていることを示唆する。更に我々は、CaSで見た同期活動の空間パターンが、そのままHemoSでの空間パターンに反映されていること、そしてこのような同期活動がHemoSで見た機能的結合の空間パターンを作るのに必要なことを示した。これらの結果は、大域的に脳を伝播する自発的神経活動の波が、どのようにして血流信号における機能的結合を生み出すかを説明する。

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2016/05/18

ウマ子宮内膜における PGF分泌自己増幅機構の証明

論文タイトル
Evidence for a PGF2α auto-amplification system in the endometrium in mares
論文タイトル(訳)
ウマ子宮内膜における PGF分泌自己増幅機構の証明
DOI
10.1530/REP-15-0617
ジャーナル名
Reproduction BioScientifica
巻号
Vol.151 No.5 (73-82)
著者名(敬称略)
香西 圭輔、奥田 潔 他
所属
岡山大学農学部 環境生命科学研究科 動物生殖生理学研究室

抄訳

ウマにおいて、子宮内膜から分泌される prostaglandin F (PGF) は主要な黄体退行因子である。ウシやヒツジなど他の家畜において、PGFがPGF産生を刺激する自己増幅機構の存在が報告されている。本研究において、我々はウマ子宮内膜においてもPGF 自己増幅機構が存在するかどうかを調べた。黄体中期のウマへPGF製剤cloprostenol を投与し、血中 progesterone(P4) およびPGFmetabolite (PGFM) 濃度への影響を調べた。血中 P4濃度は cloprostenol 投与 45 分後減少し始め、24 時間後まで減少し続けた (P<0.05)。一方、血中 PGFM 濃度は cloprostenol 投与 4 時間後増加し始め、72 時間後まで増加し続けた (P<0.05)。子宮内膜におけるPGF receptor (PTGFR) mRNA 発現は黄体後期において、黄体初期および黄体退行期に比べ有意に高かった (P<0.05)。PGF は子宮内膜組織ならびに子宮内膜上皮および間質細胞におけるPGF 産生を有意に刺激した (P<0.05)。さらに、PGF は子宮内膜上皮および間質細胞におけるPGF 合成関連酵素PTGS2 mRNA 発現を有意に刺激した (P<0.05)。本研究の結果より、ウマ子宮内膜におけるPGF 自己増幅機構の存在が強く示唆された。

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2016/04/28

Paenibacillus sp. IK-5キトサナーゼ/グルカナーゼに存在するCBM32糖質結合モジュールのキトサン認識機構

論文タイトル
Mechanism of chitosan recognition by CBM32 carbohydrate-binding modules from a Paenibacillus sp. IK-5 chitosanase/glucanase
論文タイトル(訳)
Paenibacillus sp. IK-5キトサナーゼ/グルカナーゼに存在するCBM32糖質結合モジュールのキトサン認識機構
DOI
10.1042/BCJ20160045
ジャーナル名
Biochemical Journal Biochemical Society
巻号
Vol.473 No.8 (1085-1095)
著者名(敬称略)
新家 粧子、深溝 慶 他
所属
近畿大学 農学部 バイオサイエンス学科 バイオ分子化学研究室

抄訳

Paenibacillus sp. IK-5キトサナーゼ/グルカナーゼに存在する二つのCBM32糖質結合モジュール (DD1とDD2) のキトサン認識機構を明らかにするために、NMRおよびX線結晶構造解析によってそれらの構造を決定した。これらのモジュールは両方ともにβ−サンドイッチ・フォールドをコアとしてもち、コア構造の上下にはいくつかのループが存在していた。NMR滴定実験やDD2-キトサンオリゴ糖複合体結晶構造に基づいて、キトサンオリゴ糖はその非還元末端糖残基を、モジュール上部のループ部分と接触させながら、直立して結合することがわかった。その際、DD2のGlu14、Arg31、Tyr36、Glu61がキトサンとの相互作用を担っており、このうち、Ty36はDD1ではGlu36に置換されていた。そこで、DD1のGlu36をTyrに、DD2のTyr36をGluに変異させてキトサンとの親和性を調べた。その結果、36番目のアミノ酸はキトサンとの親和性を支配し、とりわけ、Glu側鎖とキトサンの非還元末端残基に存在する遊離アミノ基との静電的相互作用は重要であることがわかった。

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2016/04/06

卵巣の卵胞局所におけるレチノイン酸合成が排卵準備を完結させ,雌の妊孕性を担保する

論文タイトル
De novo-synthesized retinoic acid in ovarian antral follicles enhances FSH-mediated ovarian follicular cell differentiation and female fertility
論文タイトル(訳)
卵巣の卵胞局所におけるレチノイン酸合成が排卵準備を完結させ,雌の妊孕性を担保する
DOI
10.1210/en.2015-2064
ジャーナル名
Endocrinology Endocrine Society
巻号
Endocrinology Online: March 29, 2016
著者名(敬称略)
川合智子,矢中規之,JoAnne S. Richards,島田昌之
所属
広島大学 大学院生物圏科学研究科 生殖内分泌学,広島大学インキュベーション研究拠点 RCAS

抄訳

ビタミンA欠乏は,雌の繁殖(生殖)能力を減退させることが知られているが,卵巣における役割はほとんど解明されていない.我々は, 発情期において,顆粒膜細胞でFSH依存的にRA合成酵素群の発現が上昇し,それがRA受容体を介して遺伝子発現を誘導することを見いだした. さらに,RA合成抑制剤投与により,新規合成されるRAが排卵刺激を感受するLH受容体(Lhcgr)の顆粒膜細胞での発現を誘導し,それが排卵だけでなく卵成熟,受精および胚発生いずれをも促進することを明らかとした.ビタミンA欠乏飼料を給餌されたマウスにおいても,排卵抑制により発情期が延長する繁殖障害を呈した.これらの異常はRA投与により改善されたことから,雌の繁殖能力は,卵巣の卵胞局所におけるRA新規合成に依存することがはじめて明らかとなった.この成果は,ビタミンA欠乏のみでなくそれをRAに変換する酵素群の発現あるいは活性異常が,ヒトの不妊症や家畜の繁殖障害を引き起こす可能性を示している.

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2016/03/25

哺乳類の睡眠時間におけるカルシウム依存的過分極の関与

論文タイトル
Involvement of Ca2+-Dependent Hyperpolarization in Sleep Duration in Mammals
論文タイトル(訳)
哺乳類の睡眠時間におけるカルシウム依存的過分極の関与
DOI
10.1016/j.neuron.2016.02.032
ジャーナル名
Neuron Cell Press
巻号
Neuron Online March 17
著者名(敬称略)
多月文哉 上田泰己 他
所属
東京大学大学院医学系研究科 機能生物学専攻 薬理学講座 システムズ薬理学分野

抄訳

睡眠を制御する因子は主にハエを用いたフォワードジェネティクスによる探索で、体内時計に関係した遺伝子を中心に複数特定されてきた。しかしながら、体内時計とは別に睡眠時間を直接制御している遺伝子(睡眠時間制御因子)は未解明のままであった。フォワードジェネティクスは表現型から遺伝子に遡るため、多くの時間とコストを要し、従来の睡眠測定法も脳波測定用の電極を頭蓋骨に装着する手術が必要であるため、侵襲が大きく、多くの時間とコストがかかっていた。近年、本研究グループは、遺伝子と表現型を直接結びつけることができるリバースジェネティクスに注目し、高速に遺伝子改変動物を作製することができる技術(トリプルCRISPR法)と、高速に睡眠表現型を解析することができる手法(SSS)を開発した(Sunagawa et al., 2016)。今回、本研究グループは神経細胞のコンピュータシミュレーションにより睡眠時間制御因子を絞り込み、トリプルCRISPR法で作成された候補遺伝子のKOマウスの睡眠をSSSで測定することで検証を行った。その結果、Cacna1g, Cacna1h (電位依存性カルシウムチャネル)、Kcnn2, Kcnn3 (カルシウム依存性カリウムチャネル)、Camk2a, Camk2b (カルシウムイオン・カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII)KOマウスが顕著な睡眠時間の減少を示す一方で、Atp2b3 (カルシウムポンプ)ノックアウトマウスは顕著な睡眠時間の増加を示し、カルシウムイオン関連経路が睡眠時間制御因子の役割を担うことを明らかにした.

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2016/03/25

淡水湖から分離された新属新種Sulfurirhabdus autotrophica

論文タイトル
Sulfurirhabdus autotrophica gen nov sp nov isolated from a freshwater lake
論文タイトル(訳)
淡水湖から分離された新属新種Sulfurirhabdus autotrophica
DOI
10.1099/ijsem.0.000679
ジャーナル名
International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology Microbiology Society
巻号
Int J Syst Evol Microbiol, January 2016 66: 113-117
著者名(敬称略)
渡邉 友浩、小島 久弥、福井 学
所属
北海道大学 低温科学研究所 微生物生態学分野

抄訳

Sulfuricellales目を代表する唯一の属であるSulfuricellaは、化学合成独立栄養性の硫黄酸化細菌Sulfuricella denitrificansのみから構成される。本論文では、本属に近縁な新規硫黄酸化細菌を分離し、その形態的、生理生化学的、化学分類学的な特徴を報告する。BiS0株は琵琶湖の堆積物から限界希釈法によって分離された。細胞形態は桿状(1.4−4.6×0.4−0.7 µm)でグラム染色陰性だった。二酸化炭素の固定と酸素を電子受容体とした無機硫黄化合物の酸化によって生育した。温度0−32℃、塩化ナトリウム濃度0−546.4 mM、pH 5.2−8.1で生育が認められ、至適な生育条件は温度15−22℃、塩化ナトリウム濃度0-66.7 mM、pH6.1−6.3だった。16S rRNA遺伝子配列に基づく系統解析の結果、本菌株は最も近縁な純粋培養株Sulfuricella denitrificansと96.3%の配列相同性を示した。本研究結果に基づき、BiS0株を代表とする新属新種Sulfurirhabdus autotrophicaを提唱する。

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