抄訳
主として用いられている肺炎マイコプラズマのジェノタイピング法はそれぞれが異なる実験的アプローチにもとづくため、各株に対して別々に実施する必要があった。本研究では、次世代シークエンサーを用いたアンプリコンシークエンスにもとづく包括的なワークフローを開発した。本ワークフローでは7本のチューブでPCR反応を行った後、1本にまとめ、ショットガンシークエンスを行って得たデータに対してde novoアセンブリを行う。各対象領域はcontigに分けられ、in silicoでジェノタイピングが行われる。これにより、p1、orf6、MLSTのタイプに加えてマクロライド耐性と関連した23S rRNA遺伝子の変異とp1-1型の系統を区別する一塩基多型が同時に得られる。ジェノタイピングの正確性は東京で収集された40株の全ゲノム解析との比較により確認された。本法はハイスループットなデータ取得だけでなく、一塩基分解能による新規ジェノタイプの検出を可能とする。