抄訳
大腸発癌や進展において“炎症”は重要であり、アラキドン酸経路の分子 (COX2/PGE2)が注目されている。Mimoriらは癌抑制遺伝子FHITが、環境因子暴 露により変異を起こしやすいタイプの癌抑制遺伝子であること(食道 癌; Mori M, Cancer Res 1999)(肺癌;Sozzi G, Cancer Res1997)、さらに大腸癌 の悪性度や予後に関連すること(Mori M, Mimori K. Cancer Res 2001)を示し た。さらに本編では、大腸癌におけるPGE2とFHITとの直接的な関係を調べた結 果、FHITは PGE2活性と細胞増殖能を抑制することで、炎症に起因する大腸癌 進展を制御しうること を明らかにした。