本文へスキップします。

H1

国内研究者論文紹介

コンテンツ

ユサコでは日本人の論文が掲載された海外学術雑誌に注目して、随時ご紹介しております。

論文検索

(以下、条件を絞り込んで検索ができます。)

日本人論文紹介:検索
日本人論文紹介:一覧

2019/03/13

条件付き敵対的生成ネットワークをピクセル毎に適用することによるDeep LearningによるSynthetic FLAIR像の画質向上

論文タイトル
Improving the Quality of Synthetic FLAIR Images with Deep Learning Using a Conditional Generative Adversarial Network for Pixel-by-Pixel Image Translation
論文タイトル(訳)
条件付き敵対的生成ネットワークをピクセル毎に適用することによるDeep LearningによるSynthetic FLAIR像の画質向上
DOI
10.3174/ajnr.A5927
ジャーナル名
American Journal of Neuroradiology  American Society of Neuroradiology
巻号
American Journal of Neuroradiology Vol. 40, No. 2 (224-230)
著者名(敬称略)
萩原 彰文
所属
順天堂大学 放射線診断学講座

抄訳

Synthetic MRIは任意のコントラスト強調像を1回のスキャンのデータに基づいて作成する事ができる技術であるが、 Synthetic FLAIRは従来法FLAIRよりも画質が低く、臨床導入を妨げる要因となっていた。本研究は、Deep LearningによりSynthetic FLAIRの画質を向上させることを目的として行った。40人の多発性硬化症患者を従来法FLAIRとSynthetic MRIによってスキャンし、30人の訓練データと10人のテストデータに分けた。従来法FLAIRを教師データとして、Synthetic MRIの元画像からDeep Learningを用いてFLAIR画像を作成した(DL-FLAIR)。従来法FLAIRを真の画像として計算したエラーはDL-FLAIRにおいてSyntheitc FLAIRよりも減少していた。DL-FLAIRにおける病変の描出能は従来法FLAIRと同程度であった。また、DL-FLAIRにおいてSynthetic FLAIRに特有のアーチファクトであるgranular artifactとswelling artifactはDL-FLAIRにおいて減少した。Deep Learningを用いて、Synthetic FLAIRの画質を向上させることに成功したと考えられる。

論文掲載ページへ

2019/03/04

脂肪肝に対するUltrasound-guided Attenuation Parameterを用いた減衰係数測定の有用性-MRI-PDFFとの比較-

論文タイトル
Utility of Attenuation Coefficient Measurement Using an Ultrasound-Guided Attenuation Parameter for Evaluation of Hepatic Steatosis: Comparison With MRI-Determined Proton Density Fat Fraction
論文タイトル(訳)
脂肪肝に対するUltrasound-guided Attenuation Parameterを用いた減衰係数測定の有用性-MRI-PDFFとの比較-
DOI
10.2214/AJR.18.20123
ジャーナル名
American Journal of Roentgenology American Roentgen Ray Society
巻号
AJR February 2019, Volume 212, No 2
著者名(敬称略)
多田俊史 他
所属
大垣市民病院 消化器内科 医長

抄訳

【背景】
 超音波Bモード法を参照しながら脂肪肝を定量評価できるUltrasound-guided Attenuation Parameter (UGAP)を用いた減衰係数 (AC: attenuation coefficient)測定の経験をし,MRI- proton density fat fraction (PDFF)と比較したので報告する.
【方法】
 対象はACが測定され,かつMRIによるPDFFが測定された非B非Cの患者126例である.超音波装置はGE社LOGEQ S8とE9,MRI装置はGE社 Discovery MR750Wをそれぞれ使用した.なおPDFFのカットオフは既報にしたがい,脂肪化grade ≧1,≧2,3をそれぞれ5.2%,11.3%,17.1%とした.
【結果】
 (1) PDFFとACの相関係数は0.746 (p<0.001)と強い相関が認められた.(2)PDFFから推定された各脂肪化gradeのROC解析による診断能 (AUROC)は,grade≧1の場合0.922, grade≧2の場合0.874,grade 3の場合0.892で,いずれも比較的高い診断能であった.(3) 脂肪化grade≦1のみの症例ではPDFFとACの相関係数は0.559 (p<0.001)と中等度の相関が認められた.(4) BMI:25 kg/m2以上の症例においてはPDFFとACの相関係数は0.773 (p<0.001)と強い相関が認められ,AUROCは,grade≧1の場合0.884, grade≧2の場合0.863,grade 3の場合0.889であった. 【結論】  UGAPを用いたAC値は脂肪肝に対して高い診断能を有する.

論文掲載ページへ

2019/02/27

プローブ-オン-キャリア型DNAチップを用いた1塩基認識

論文タイトル
Single nucleotide recognition using a probes-on-carrier DNA chip
論文タイトル(訳)
プローブ-オン-キャリア型DNAチップを用いた1塩基認識
DOI
10.2144/btn-2018-0088
ジャーナル名
BioTechniques Future Science Group
巻号
BioTechniques, Vol. 66, No. 2 (2019) 73–78
著者名(敬称略)
Saifullah、塚原 俊文 他
所属
北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス系 塚原研究室

抄訳

個々の患者のSNP分析は、最良の薬物反応を達成し、最適な治療を確実にするために不可欠となっている。 本研究では、SNPの検出のための費用対効果の高いプローブ-オン-キャリア型DNAチップを開発した。 微細粉末多孔質ガラスを固相担体としてプローブを合成し、そのまま固定化することで安価で自由設計のDNAチップ作成を可能にした。 特異性を検証するために4つの細胞株を使用してプローブハイブリダイゼーションを行った。 このチップはTP53遺伝子の1塩基変異であるrs121912651、rs11540652と野生型TP53を区別して検出することが可能であった。 相補鎖間の完全な塩基対合に基づいて、ハイブリダイズした完全マッチスポットで強い蛍光強度が観察されたが、 ミスマッチスポットでは有意に低い蛍光(p<0.05)が観察された。 これらの結果は、プローブ-オン-キャリア型DNAチップがSNP遺伝子型決定に適していることを示している。

論文掲載ページへ

2019/02/25

MiR-33a はSPG4関連遺伝性痙性対麻痺の治療標的となる

論文タイトル
MiR-33a is a therapeutic target in SPG4-related hereditary spastic paraplegia human neurons
論文タイトル(訳)
MiR-33a はSPG4関連遺伝性痙性対麻痺の治療標的となる
DOI
10.1042/CS20180980
ジャーナル名
Clinical Science Portland Press
巻号
Vol.133 No.4 (583-595)
著者名(敬称略)
中関 典子, 尾野 亘 他
所属
京都大学大学院医学研究科循環器内科学

抄訳

これまでの研究から、microRNA (miR)-33a/bはコレステロール代謝に重要であることが明らかにされてきた。我々はヒトにおけるmiR-33a/bの新たな標的遺伝子を明らかにする目的で、これらのノックアウトヒトiPS細胞を作成した。遺伝子発現プロファイルと3’UTR解析の結果、SPASTINという微小管切断活性を示す蛋白をコードするSPAST遺伝子が新たな標的と確認された。このSPASTは遺伝性痙性対麻痺(Hereditary Spastic Paraplegia; HSP)の原因遺伝子として知られており(SPG4と分類)、この遺伝子異常でSPASTの発現が減ると疾患が発症する。SPG4疾患患者より得られたiPS細胞において、miR-33aをノックダウンするとSPASTの発現が増え、神経突起の長さが長くなるという表現型の改善が認められた。本研究により、miR-33aがSPG4の治療標的になることが疾患特異的iPS細胞を利用して初めて証明された。

論文掲載ページへ

2019/02/20

梨状窩瘻孔の診断のための初回バリウム嚥下造影の至適施行時期

論文タイトル
Optimal Timing of the First Barium Swallow Examination for Diagnosis of Pyriform Sinus Fistula
論文タイトル(訳)
梨状窩瘻孔の診断のための初回バリウム嚥下造影の至適施行時期
DOI
10.2214/AJR.18.19841
ジャーナル名
American Journal of Roentgenology American Roentgen Ray Society
巻号
AJR November 2018, Volume 211, Number 5
著者名(敬称略)
細川 崇洋 山田 祥岳 他
所属
埼玉県立小児医療センター 放射線科

抄訳

梨状窩瘻孔は、小児の繰り返す炎症性頸部腫脹、新生児の呼吸困難をきたす疾患であり、梨状窩瘻孔の診断で、バリウム嚥下造影検査で瘻孔を確認することが重要である。しかし、この検査を、症状発症後どれくらい経過してから行えばいいかの報告はない。この研究では、初回バリウム嚥下造影検査を、症状発症後、いつ行えば良いのかを検討した。23人の外科手術で証明された梨状窩瘻孔の小児患者を後方視的に検討した。初回バリウム検査の結果が、真陽性であった群(60.9%)と偽陰性であった群(39.1%)を比較すると、検査時期は真陽性群が症状発症から平均48.57日後、偽陰性群が平均26.33日後であり、有意に偽陰性群で検査施行時期が早かった。症状発症後、6週間以内に初回バリウム嚥下造影検査が行われた場合、半分以上の症例で偽陰性であった。この研究から、梨状窩瘻孔が疑われた患者では、症状発症後の早期の検査では偽陰性であることが多いことが分かった。小児への被ばくを考慮すると、症状発症後早期のバリウム嚥下造影検査はあまり推奨されない可能性がある。

論文掲載ページへ

2019/02/19

脳室下帯に存在するフラクトンは神経幹細胞ニッチとして機能する斑点状基底膜である

論文タイトル
Ventricular-subventricular zone fractones are speckled basement membranes that function as a neural stem cell niche
論文タイトル(訳)
脳室下帯に存在するフラクトンは神経幹細胞ニッチとして機能する斑点状基底膜である
DOI
10.1091/mbc.E18-05-0286
ジャーナル名
Molecular Biology of the Cell American Society of Cell Biology
巻号
Vol. 30 no.1
著者名(敬称略)
佐藤祐哉、関口清俊 他
所属
大阪大学 蛋白質研究所

抄訳

基底膜は組織幹細胞の挙動を制御する幹細胞ニッチの一つである。成体の神経幹細胞は側脳室の脳室下帯に存在するが、基底膜がそのニッチとして機能しているかどうかはこれまで不明であった。本論文では、上衣細胞の細胞間および直下に存在する斑点状の基底膜(通称“フラクトン”)に着目し、これが従来考えられていたような血管基底膜の延伸構造ではなく、GFAP陽性の神経幹細胞が産生する幹細胞性維持のための足場(ニッチ)であることを見いだした。ラミニンα5鎖は斑点状基底膜の構成分子であるが、Gfap-Creマウスを用いて神経幹細胞/アストロサイト特異的にその発現をノックアウトすると、斑点状基底膜のラミニンα5鎖の発現は有意に減少した。また、同様にして基底膜ラミニンのインテグリン結合能を神経幹細胞/アストロサイト特異的に消失させると、斑点状基底膜の数や大きさが減少し、ニューロスフィア形成能が顕著に低下した。これらの結果は、斑点状基底膜が神経幹細胞/アストロサイトによって産生され、その形成にはラミニンとインテグリンの相互作用が関与することを実証するとともに、これが神経幹細胞のニッチとして機能している可能性を強く示唆している。

論文掲載ページへ

2019/02/18

ビタミンB1のde novo合成が欠失しているピロリ菌のビタミンB1輸送系

論文タイトル
Thiamin transport in Helicobacter pylori lacking the de novo synthesis of thiamin
論文タイトル(訳)
ビタミンB1のde novo合成が欠失しているピロリ菌のビタミンB1輸送系
DOI
10.1099/mic.0.000765
ジャーナル名
Microbiology Microbiology Society
巻号
Microbiology Vol.165 No.2 (224-232)
著者名(敬称略)
野坂 和人 他
所属
武庫川女子大学 薬学部薬学科 生化学Ⅱ講座

抄訳

ピロリ菌Helicobacter pyloriは、人の胃粘膜に長期間持続感染するグラム陰性細菌であり、世界人口の約半数が保因者であると推定されている。ピロリ菌感染は萎縮性胃炎、消化性潰瘍及び胃癌などの誘発と関連しており、治療法としては三剤併用療法が挙げられるが、耐性菌の出現や再発が臨床上問題となっている。本論文において、ピロリ菌はde novoのチアミン(ビタミンB1)生合成酵素遺伝子が欠失しているために、外界からチアミン(>1 nM)を取り込まなければ生育できないことが示された。また、pnuT欠損株ではチアミン要求濃度が高くなる(>100 nM)ことが観察され、ピロリ菌には複数のチアミン輸送系が存在し、PnuTは高親和性チアミン輸送タンパク質であることが示唆された。PnuTによるチアミン輸送は促進拡散であるが、取り組まれたチアミンはチアミンピロホスホキナーゼにより効率よくピロリン酸化されるので、チアミンの輸送は単方向になると思われる。チアミンの胃粘膜内濃度が血液中濃度(2〜30 nM)と同程度であるとすると、PnuTは新規抗ピロリ菌薬の分子標的として期待される。

論文掲載ページへ

2019/02/18

クッシング症候群において脂肪細胞GRは多様な機序を介して健康的肥満を抑制する

論文タイトル
Adipocyte GR Inhibits Healthy Adipose Expansion Through Multiple Mechanisms in Cushing Syndrome
論文タイトル(訳)
クッシング症候群において脂肪細胞GRは多様な機序を介して健康的肥満を抑制する
DOI
10.1210/en.2018-01029
ジャーナル名
Endocrinology Endocrine Society
巻号
Vol.160 No.3 (504–521)
著者名(敬称略)
林 令子, 奥野 陽亮, 大月 道夫 他
所属
大阪大学大学院医学系研究科 内分泌・代謝内科学

抄訳

クッシング症候群(CS)は、グルココルチコイド過剰により肥満・糖脂質代謝異常・脂肪肝等を惹起する。今回、CSにおける脂肪細胞グルココルチコイド受容体(GR)の病態学的意義を検討した。脂肪細胞特異的GR欠損マウス(AGRKO)を作出し、コルチコステロン飲水投与によりCS病態モデルを作成したところ、AGRKOでは対照群と比較し、白色脂肪組織重量の増加、脂肪肝の改善、血中FFAやHOMA-Rの低下を認めた。特に白色脂肪組織では脂質分解酵素Atglの遺伝子発現量が低下した。3T3-L1脂肪細胞における検討では、Atglのイントロン上に新規GR結合配列を同定した。AGRKOでは、白色脂肪組織重量の増加にも関わらず、インスリン抵抗性の改善を認め、Adipose Healthy Expansionを呈していると考えられた。ヒトCSの副腎周囲脂肪組織の臨床検体およびAGRKO脂肪組織を用いたRNAシークエンス解析から、脂肪組織GRはCS病態のヒト、マウスにおいて、脂肪分解、脂肪組織リモデリング抑制、preadipocyteの増殖抑制、糖取り込み低下などを介してAdipose Healthy Expansionを抑制すると考えられた。以上の結果は、CSの代謝異常や中心性肥満の機序解明につながる可能性がある。

論文掲載ページへ

2019/02/14

HER2陽性唾液腺導管癌に対するトラスツズマブ+ドセタキセル療法の第II相試験

論文タイトル
Phase II Trial of Trastuzumab and Docetaxel in Patients With Human Epidermal Growth Factor Receptor 2–Positive Salivary Duct Carcinoma
論文タイトル(訳)
HER2陽性唾液腺導管癌に対するトラスツズマブ+ドセタキセル療法の第II相試験
DOI
10.1200/JCO.18.00545
ジャーナル名
Journal of Clinical Oncology American Society of Clinical Oncology
巻号
Journal of Clinical Oncology 37, no. 2 (January 2019) 125-134.
著者名(敬称略)
高橋 秀聡、多田雄一郎 他
所属
国際医療福祉大学三田病院頭頸部腫瘍センター

抄訳

唾液腺導管癌は、唾液腺癌の10~20%程度を占め、1年間の発症率が10万人あたり0.3人以下とされる希少癌である。標準治療である根治切除術と術後放射線治療を施行しても、約半数が遠隔転移をきたし、5年生存率が約40%の予後不良な高悪性度唾液腺癌である。しかし、症例数が少ないため、これまで標準的薬物療法は確立されていない。病理学的に、本腫瘍は約40%の症例でHER2が強発現を示すことが知られている。そこで、切除不能・再発転移HER2陽性唾液腺導管癌に対するトラスツズマブ+ドセタキセル療法の有効性と安全性を検討する単施設、単アーム、第II相臨床試験(UMIN000009437)を実施した。 トラスツズマブは初回8 mg/kg、維持量6 mg/kgとドセタキセル70 mg/m2 を3週毎に投与した。唾液腺導管癌57例が登録された。奏効率70.2%(95%CI: 56.6–81.6%)、臨床的有用率84.2% (95% CI: 72.1–92.5%)、平均無増悪期間8.9ヶ月(95%CI: 7.8–9.9ヶ月)、平均全生存期間39.7ヶ月(95%CI: not reached)であった。頻度の高い有害事象として、貧血(52例91%)、白血球減少症(51例89%)、好中球減少症(50例88%) であった。最も頻度の高いGrade4の有害事象は好中球減少症(34例60%)であった。Grade3発熱性好中球減少症は8例14%に認めた。Grade2以上の心機能障害、50%以上の心拍出量低下の症例は認めなかった。 本研究により、切除不能・再発転移HER2陽性唾液腺導管癌に対し、トラスツズマブ+ドセタキセル療法が有望な治療であることが示された。

論文掲載ページへ

2019/02/07

320 列面検出器 CT を用いた Bone subtraction iodine画像による上咽頭癌の頭蓋底浸潤評価

論文タイトル
Bone Subtraction Iodine Imaging Using Area Detector CT for Evaluation of Skull Base Invasion by Nasopharyngeal Carcinoma
論文タイトル(訳)
320 列面検出器 CT を用いた Bone subtraction iodine画像による上咽頭癌の頭蓋底浸潤評価
DOI
10.3174/ajnr.A5906
ジャーナル名
American Journal of Neuroradiology  American Society of Neuroradiology
巻号
American Journal of Neuroradiology Vol. 40, No. 1 (135-141)
著者名(敬称略)
檜山 貴志,久野 博文 他
所属
国立がん研究センター東病院 放射線診断科

抄訳

従来のCTはMRIに比べコントラスト分解能が低く、上咽頭癌の頭蓋底浸潤評価において骨内の造影効果を正確に評価することは困難であった。Bone subtraction iodine (BSI) 画像は、320 列面検出器 CT を用いて造影前後のCT 画像を正確に差分することにより,骨内のヨード造影剤を描出する手法である.本研究は,上咽頭癌頭蓋底浸潤の評価にBSI画像が有用かを検証した.連続した上咽頭癌患者44例を対象とし,320列面検出器CTを用いて,造影前後の volume scanを非剛体位置あわせを用いて差分し,BSI画像を作成した.2名の神経放射線科医により,頭蓋底6部位に対し,従来のCTのみ(CCT)の評価とCCTとBSIを組み合わせた(CT-BSI画像) 評価を比較し、MRI・CTの総合的評価を参照基準として診断能を算出した。26症例(84亜部位)で頭蓋底浸潤を認め、CT-BSI画像ではCCTよりも高い感度(92.9% vs 78.6%, P=.02),特異度(95.6% vs 86.1%, P=.01)を示し、ROC曲線によるAUCはCT-BSIで有意に大きかった(AUC = 0.98 vs 0.90, P<.001).BSI画像は骨組織内のヨード造影剤分布が正確に評価可能となり,CTによる頭蓋底浸潤の診断能向上に寄与する。この技術により造影MRIが撮像できない患者に対しても、正確な病期決定と放射線治療計画が可能となると考えられる.

論文掲載ページへ