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国内研究者論文紹介

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ユサコでは日本人の論文が掲載された海外学術雑誌に注目して、随時ご紹介しております。

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2019/02/05

隕石母天体での水質変質過程における有機物と鉱物の相互作用の理解に向けた炭素質コンドライト隕石のナノスケール赤外分光イメージング分析

論文タイトル
Nanoscale infrared imaging analysis of carbonaceous chondrites to understand organic-mineral interactions during aqueous alteration
論文タイトル(訳)
隕石母天体での水質変質過程における有機物と鉱物の相互作用の理解に向けた炭素質コンドライト隕石のナノスケール赤外分光イメージング分析
DOI
10.1073/pnas.1816265116
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences National Academy of Sciences
巻号
PNAS vol. 116 no. 3 753-758
著者名(敬称略)
癸生川 陽子 他
所属
横浜国立大学 大学院工学研究院

抄訳

Synthetic MRIは任意のコントラスト強調像を1回のスキャンのデータに基づいて作成する事ができる技術であるが、 Synthetic FLAIRは従来法FLAIRよりも画質が低く、臨床導入を妨げる要因となっていた。本研究は、Deep LearningによりSynthetic FLAIRの画質を向上させることを目的として行った。40人の多発性硬化症患者を従来法FLAIRとSynthetic MRIによってスキャンし、30人の訓練データと10人のテストデータに分けた。従来法FLAIRを教師データとして、Synthetic MRIの元画像からDeep Learningを用いてFLAIR画像を作成した(DL-FLAIR)。従来法FLAIRを真の画像として計算したエラーはDL-FLAIRにおいてSyntheitc FLAIRよりも減少していた。DL-FLAIRにおける病変の描出能は従来法FLAIRと同程度であった。また、DL-FLAIRにおいてSynthetic FLAIRに特有のアーチファクトであるgranular artifactとswelling artifactはDL-FLAIRにおいて減少した。Deep Learningを用いて、Synthetic FLAIRの画質を向上させることに成功したと考えられる。

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2019/01/24

腎集合管における電解質輸送とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の制御機構

論文タイトル
Electrolyte transport in the renal collecting duct and its regulation by the renin–angiotensin–aldosterone system
論文タイトル(訳)
腎集合管における電解質輸送とレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系の制御機構
DOI
10.1042/CS20180194
ジャーナル名
Clinical Science Portland Press Limited
巻号
Vol.133 No.1 (75-82)
著者名(敬称略)
山崎 修, 柴田 茂 他
所属
帝京大学医学部内科学講座腎臓グループ/研究室

抄訳

Synthetic MRIは任意のコントラスト強調像を1回のスキャンのデータに基づいて作成する事ができる技術であるが、 Synthetic FLAIRは従来法FLAIRよりも画質が低く、臨床導入を妨げる要因となっていた。本研究は、Deep LearningによりSynthetic FLAIRの画質を向上させることを目的として行った。40人の多発性硬化症患者を従来法FLAIRとSynthetic MRIによってスキャンし、30人の訓練データと10人のテストデータに分けた。従来法FLAIRを教師データとして、Synthetic MRIの元画像からDeep Learningを用いてFLAIR画像を作成した(DL-FLAIR)。従来法FLAIRを真の画像として計算したエラーはDL-FLAIRにおいてSyntheitc FLAIRよりも減少していた。DL-FLAIRにおける病変の描出能は従来法FLAIRと同程度であった。また、DL-FLAIRにおいてSynthetic FLAIRに特有のアーチファクトであるgranular artifactとswelling artifactはDL-FLAIRにおいて減少した。Deep Learningを用いて、Synthetic FLAIRの画質を向上させることに成功したと考えられる。

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2018/12/20

アンギオポエチン様因子2の増加は,糖尿病性腎症悪化の誘因となる

論文タイトル
Angiopoietin-Like Protein 2 Promotes the Progression of Diabetic Kidney Disease
論文タイトル(訳)
アンギオポエチン様因子2の増加は,糖尿病性腎症悪化の誘因となる
DOI
10.1210/jc.2017-02705
ジャーナル名
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism Endocrine Society
巻号
Vol.104 No.1 (172–180)
著者名(敬称略)
石井俊史, 古屋 文彦,北村 健一郎 他
所属
山梨大学大学院医学工学総合研究部医学域内科学講座第3教室

抄訳

アンギオポエチン様因子2 (ANGPTL2)は,生活習慣病を背景とする慢性炎症により血管内皮細胞での産生が増加し,血中濃度が上昇することが知られている.本研究ではANGPTL2の発現が誘導されるメカニズムと,産生されたANGPTL2の糸球体上皮細胞(ポドサイト)への作用をin vitroで解析し,糖尿病性腎症患者を対象に腎機能障害進展を予測するバイオマーカーとしての血中ANGPTL2値の有用性を検討した. ANGPTL2蛋白の発現はエピジェネティクな制御を受け,慢性炎症やインスリン抵抗性を合併する糖尿病性腎症では,プロモーターが脱メチル化され発現が増加し,血中濃度が増加していると考えられた.さらに血中のANGPTL2はポドサイトに直接作用し,細胞骨格蛋白の局在を変化させることで糖尿病性腎症の進展に作用している可能性があり,糖尿病性腎症悪化を予測するバイオマーカーとしての有用性に加えて,新規の治療標的になりうることが示唆された.

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2018/12/19

ゲート残基変異体の結晶構造で明らかになったカルシウムポンプのE2→E1遷移のメカニズム

論文タイトル
Mechanism of the E2 to E1 transition in Ca2+ pump revealed by crystal structures of gating residue mutants
論文タイトル(訳)
ゲート残基変異体の結晶構造で明らかになったカルシウムポンプのE2→E1遷移のメカニズム
DOI
10.1073/pnas.1815472115
ジャーナル名
Proceedings of the National Academy of Sciences National Academy of Sciences
巻号
PNAS vol. 115 no. 50 12722-12727
著者名(敬称略)
恒川 直樹 豊島 近 他
所属
東京大学定量生命科学研究所膜蛋白質解析研究分野 豊島研究室

抄訳

筋小胞体カルシウムポンプは濃度勾配に抗してCa2+を細胞質から小胞体内腔へと能動輸送する膜蛋白質である。Ca2+に対する親和性の改変と2つあるゲートの開閉をATPの加水分解と共役させることで能動輸送を実現する。Ca2+運搬直後のE2状態ではCa2+に対する親和性は低くCa2+に配位する酸性残基はプロトン化している。プロトンが離脱するとCa2+親和性の高いE1状態へと遷移する。このとき非常に大規模で複雑な構造変化が起こるが、その順序等は不明である。細胞質側ゲートであるGlu309はCa2+に配位し、E2状態ではプロトン化していると考えられている。従って、そのGln置換体はE2状態の構造に何ら影響を与えないと期待されたが、X線結晶解析の結果、非常に大規模な構造変化が生じており、細胞質ドメインの配置等はE1に近いことが判明した。一方で、Ca2+配位残基の配置(従ってプロトン化状態)は天然蛋白質のE2状態と完全に同一であった。この結果、何がE2状態の本質的構造要素であるかが判明し、量子化学計算の結果、大規模な構造変化はカルボニル基とプロトン化Glu / Gln間に形成される水素結合の僅かな距離の差によること、Glu309脱プロトン化がE2状態に必須な構造要素を破壊しE1状態への遷移を誘起することが理解された。

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2018/12/18

Vasostatin-1の動脈硬化抑制作用

論文タイトル
Inhibitory effects of vasostatin-1 against atherogenesis
論文タイトル(訳)
Vasostatin-1の動脈硬化抑制作用
DOI
10.1042/CS20180451
ジャーナル名
Clinical Science Portland Press
巻号
Vol.132 No.23 (2493-2507)
著者名(敬称略)
佐藤 裕希, 渡部 琢也 他
所属
東京薬科大学 生命科学部 心血管医科学研究室

抄訳

我々のトランスレーショナルリサーチにより、新規ペプチドであるVasostatin-1 (VS1)の動脈硬化抑制作用が世界で初めて明らかになった。動脈硬化の主要現象である血管内皮細胞やマクロファージの炎症、マクロファージの泡沫化、血管平滑筋細胞の遊走・増殖、細胞外マトリックスの産生に対するVS1の作用をin vitroで、ApoE欠損マウスへのVS1投与により動脈硬化病変進展に対する作用をin vivoで検討した。更に、ヒト動脈硬化病変でのVS1発現を検討した。VS1は、ヒト橈骨動脈の動脈硬化病変に強発現していた。また、VS1の発現は、ヒト大動脈平滑筋細胞(HASMC)とヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)にも確認された。VS1は、HUVECにおいてLipopolysaccharide刺激によるMonocyte Chemotactic Protein-1、Vascular Cell Adhesion Molecule-1、E-Selectinの発現の増加を抑制した。ヒト単球(THP1)からマクロファージへの分化過程でVS1に暴露すると炎症性M1が抑制され、Lipopolysaccharide刺激によるInterleukin-6とTumor Necrosis Factor-αの分泌を減少させた。VS1は、酸化LDLによるマクロファージの泡沫化を抑制した。その分子メカニズムとして、VS1によるCD36とAcyl-CoA:Cholesterol Acyltransferase-1の発現の抑制及びATP-Binding Cassette Transporter A1の発現の促進が認められた。VS1は、Angiotensin Ⅱ刺激によるHASMCの遊走、Collagen-3と Fibronectinの発現を抑制した。ApoE欠損マウスにVS1を投与したところ、空腹時血糖値とインスリン抵抗性は改善し、大動脈における動脈硬化病変、プラーク内のマクロファージ浸潤や炎症、血管平滑筋細胞の含有量、Collagen-3発現を抑制した。故に、VS1は血管壁の分子を直接ターゲットにし、動脈硬化の予防・治療に有用である事が示唆された。

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2018/12/17

ヒト子宮内膜上皮細胞に発現するversicanV1はin vitroにおいてBeWo細胞スフェロイドの接着を促進する

論文タイトル
Versican V1 in human endometrial epithelial cells promotes BeWo spheroid adhesion in vitro
論文タイトル(訳)
ヒト子宮内膜上皮細胞に発現するversicanV1はin vitroにおいてBeWo細胞スフェロイドの接着を促進する
DOI
10.1530/REP-18-0333
ジャーナル名
Reproduction BioScientifica
巻号
Vol.157 No.1 (53–64)
著者名(敬称略)
宮﨑 有美子, 堀江 昭史 他
所属
京都大学医学部附属病院 産科婦人科

抄訳

子宮内膜の細胞外基質(ECM)は胚着床に重要な役割を果たす。ECMの一つであるversicanは大型のコンドロイチン硫酸プロテオグリカンで、細胞増殖、接着、遊走をはじめとする種々の生命現象に関与する。本研究では、ヒト胚着床に果たすversicanの役割について検討した。免疫組織学的染色およびwestern blottingにて、ヒト子宮内膜上皮細胞(EECs)におけるversicanV1の発現は、分泌期中期において最大であった。EECsにエストロゲンとプロゲステロンを添加すると、versicanV1の発現が優位に上昇した。更に、in vitro着床モデルにおいて、versicanV1を強制発現させたIshikawa 細胞(ヒト子宮内膜癌細胞株)は、ヒト絨毛癌細胞株であるBeWo細胞塊の接着率を有意に上昇させた。以上の結果より、versicanV1はヒト胚着床に寄与している可能性が示唆された。

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2018/11/19

新生児のコルチゾール値は哺乳によって上昇する

論文タイトル
Versican V1 in human endometrial epithelial cells promotes BeWo spheroid adhesion in vitro
論文タイトル(訳)
新生児のコルチゾール値は哺乳によって上昇する
DOI
10.1210/jc.2018-01052
ジャーナル名
Reproduction BioScientifica
巻号
Vol.103 No.12 (4450–4455)
著者名(敬称略)
木下 正啓, 岩田 欧介 他
所属
名古屋市立大学大学院医学研究科 新生児・小児医学分野

抄訳

唾液コルチゾールの評価は成人だけでなく,乳幼児の生体リズムやストレスの評価に多用されるが,その影響因子は解明されていない。哺乳前後でコルチゾール値が変化するかを評価するために,修正在胎週数30-40週のNICU入院児53名の唾液を午前・午後の2回,3時間ごとの哺乳前および1時間後に採取し,コルチゾール値を評価した。哺乳によるコルチゾール値の上昇を,生後日齢と個体内の繰り返しを加味した一般化推定方程式で評価した結果,修正在胎週数37週以上と哺乳はコルチゾール高値と関連していた(共にp<0.001)。経口哺乳児は,経管栄養のみの児に比べて哺乳によるコルチゾール値の上昇が顕著であった(P = 0.034)。30分以上の緩徐 な栄養投与は,より短時間の哺乳・投与に比べてコルチゾール値の上昇が少なかった(p<0.001)。成人では食事によるコルチゾール値の上昇が知られていたが,新生児でも哺乳による同様の反応の存在が明らかになった。新生児では哺乳を加味することなくコルチゾールの評価が行われてきたため,これまでの研究結果の多くに解釈の見直しが必要である。早期の哺乳,特に経口哺乳が,視床下部-下垂体-副腎系の制御やその成熟に影響を与えるかを,今後の研究で明らかにする必要がある。

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2018/11/16

肥満は特発性アルドステロン症の重要な背景因子である

論文タイトル
Obesity as a Key Factor Underlying Idiopathic Hyperaldosteronism
論文タイトル(訳)
肥満は特発性アルドステロン症の重要な背景因子である
DOI
10.1210/jc.2018-00866
ジャーナル名
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism Endocrine Society
巻号
Vol.103 No.12 (4456?4464)
著者名(敬称略)
大野 洋一, 曽根 正勝 他
所属
京都大学医学研究科 糖尿病・内分泌・栄養内科

抄訳

原発性アルドステロン症と肥満との関連についてはいくつか報告されているが、本態性高血圧(EHT)と差がないとする報告もある。原発性アルドステロン症はアルドステロン産生腺腫(APA)と特発性アルドステロン症(IHA)に大別され、その病因は異なる。そこで、日本の29施設で構築したJPASデータベースを用いて、516例のAPA患者と1015例のIHA患者、および274例のEHT患者の肥満度と代謝指標を比較検討した。IHA患者ではAPA患者にくらべ血漿アルドステロン濃度(PAC)が低いにもかかわらず、BMIが高く、肥満(BMI≧25)の頻度も有意に高かった。ロジスティック回帰分析にて年齢、性別、血圧、喫煙、飲酒、高血圧罹病期間、腎機能、PACなどの背景因子で調整しても、IHAでAPAよりBMIは有意に高く、肥満のオッズ比も1.665倍(99%CI:1.029-2.694)と有意に高かった。年齢、性別、血圧をマッチさせたEHTと比較したところ、IHAでは有意に肥満が多かったが、APAでは有意な差は認めなかった。高PACが肥満の原因と考えると、APAでIHAより肥満が少ない理由は説明がつかないため、逆に肥満がIHAの病因となっている可能性が示唆された。

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2018/11/14

Cryptochrome遺伝子欠損は松果体Aanat遺伝子の転写を促進するがタンパク量を低下させる

論文タイトル
Cryptochrome deficiency enhances transcription but reduces protein levels of pineal Aanat
論文タイトル(訳)
Cryptochrome遺伝子欠損は松果体Aanat遺伝子の転写を促進するがタンパク量を低下させる
DOI
10.1530/JME-18-0101
ジャーナル名
Journal of Molecular Endocrinology Bioscientifica
巻号
Vol.103 No.12 (4450–4455)
著者名(敬称略)
山仲勇二郎, 山田淑子, 本間さと, 本間研一
所属
北海道大学大学院教育学研究院生活健康学研究室

抄訳

Cryptochrome(Cry)は哺乳類の概日リズム生成に関わる時計遺伝子である。松果体ホルモンであるメラトニンは明瞭な概日リズムを示し、メラトニン合成の律速酵素とされるアリルアミンN-アセチル転移酵素 (AANAT)活性の概日リズムがメラトニンリズムを作り出している。AANAT活性の概日リズムは、中枢時計であるSCNから松果体への交感神経を介するシグナルによって作り出されていると考えられてきたが、AANAT遺伝子は、そのプロモーター領域にE-box配列を有しているため、CLOCK/BMALヘテロ2量体の結合による転写促進と、CRY/PER蛋白による転写抑制という時計遺伝子の転写翻訳フィードバックループがAanat遺伝子発現の概日リズムをつくりだしている可能性もある。その場合、転写抑制因子のCRYを欠損するマウス(Cry1−/−/Cry2−/−)では、Aanatの mRNAが持続的に発現し、メラトニンが恒常的に高値を示すことが予想される。しかし、著者らはメラトニンを合成可能なC3H系マウスをバックグランドとするCry1−/−/Cry2−/−マウスでは、松果体メラトニンの概日リズムが消失し、さらにメラトニン濃度も野生型マウスと比較し低レベルであることを過去に報告した(Yamanaka et al. Genes Cells 2010)。今回の研究では、Cry1−/−/Cry2−/−マウスを用いて松果体Aanatの概日リズム形成メカニズムを検討した。このため、Aanat mRNAレベルおよびAANATタンパク量、AANAT酵素活性を測定した。その結果、Cry1−/−/Cry2−/−マウスの松果体ではAanat mRNAが持続的に高値を示し、そのレベルは野生型マウスにおける概日リズムのピーク値に一致していた。しかし、AANATタンパク量およびAANAT酵素活性は持続的に低値であった。さらに、Cry1−/−/Cry2−/−マウスの培養松果体を交感神経作動薬であるイソプロテレノールで刺激すると野生型対照群よりも低いもののメラトニン合成が認められること、ノルアドレナリン刺激によるAANAT活性上昇やフォルスコリン刺激によるcAMP の上昇には野生型マウスと差がないことを確認した。これらの知見は、Cry1−/−/Cry2−/−マウスでは松果体細胞内でのメラトニン合成経路は正常であるが、生物時計中枢である視交叉上核からの神経入力が障害されるためにアドレナリンβ受容体を介する松果体細胞内のcAMP濃度が上昇せず、AANATは、mRNAレベルは高いものの、タンパク分解が亢進するため、AANATレベルおよび酵素活性が持続的に低下し、メラトニンを合成することができないことが示唆された。さらに、マウス松果体においてAANATのE-boxを介する転写調節機構が生理的活性をもつことも明らかにした。

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2018/11/02

雌優位に発現するSerpina3nはマウス分化骨芽細胞の表現型を抑制する。

論文タイトル
Serpina3n, Dominantly Expressed in Female Osteoblasts, Suppresses the Phenotypes of Differentiated Osteoblasts in Mice
論文タイトル(訳)
雌優位に発現するSerpina3nはマウス分化骨芽細胞の表現型を抑制する。
DOI
10.1210/en.2018-00639
ジャーナル名
Endocrinology Endocrine Society
巻号
Vol.159 No.11 (3775–3790)
著者名(敬称略)
石田 昌義, 梶 博史 他
所属
近畿大学医学部再生機能医学講座

抄訳

骨粗鬆症の病態には明らかな性差があり、性ホルモン以外の要因も骨代謝の性差に関与する可能性が示唆されてきた。マウス初代培養骨芽細胞表現型における性差を検討したところ、分化や石灰化は、雄と比較して雌において著明に低かった。このような骨芽細胞の性差を決定する因子の探索を網羅的遺伝子発現解析を用いて行ったところ、最も雌に発現量が優位に高い遺伝子として、Serpina3nを同定した。内因性Serpina3nの減少は骨芽細胞分化を有意に促進し、Serpina3n過剰発現は、マウス骨芽細胞株における骨芽細胞分化を有意に抑制した。また、Serpina3n発現は、マウス間葉系ST2細胞の骨芽細胞への分化には影響をおよぼさなかったが、石灰化を有意に抑制した。以上の結果より、雌の骨芽細胞に優位に発現するSerpina3nは、分化した骨芽細胞における表現型を抑制する作用を有し、マウスの骨芽細胞表現型や骨粗鬆症病態の性差を部分的に説明する可能性が考えられた。

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