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国内研究者論文紹介

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ユサコでは日本人の論文が掲載された海外学術雑誌に注目して、随時ご紹介しております。

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日本人論文紹介:一覧

2023/12/05

担子菌酵母の新種であるHannaella oleicumulans sp. nov. 及び Hannaella higashiohmiensis sp. nov.,は油脂生産能を有する New

論文タイトル
Hannaella oleicumulans sp. nov. and Hannaella higashiohmiensis sp. nov., two novel oleaginous basidiomycetous yeast species
論文タイトル(訳)
担子菌酵母の新種であるHannaella oleicumulans sp. nov. 及び Hannaella higashiohmiensis sp. nov.,は油脂生産能を有する
DOI
10.1099/ijsem.0.006027
ジャーナル名
International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology
巻号
Volume 73, Issue 9
著者名(敬称略)
谷村あゆみ、島 純 他
所属
龍谷大学 農学部

抄訳

滋賀県の土壌から3株の油脂生産性を有する酵母を分離した。ITS領域及びリボゾームRNAをコードするD1/D2領域の塩基配列を決定した。その結果、それらの酵母株はHannaella属の担子菌酵母であることが示唆された。分子系統解析の結果、38-3株及び8s1株はHannaella oryzaeに近縁であることがわかった。しかし、これらの株では多数の塩基置換がおきており、ギャップも観察された。そこで、これらの株を新種酵母Hannaella oleicumulans sp. nov. 及び Hannaella higashiohmiensis sp. nov.として提案する。

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2023/11/09

著明な左室流出路狭窄を伴うたこつぼ心筋症におけるランジオロール経静脈投与がもたらす循環動態への影響

論文タイトル
Haemodynamic effects of acute intravenous landiolol in Takotsubo cardiomyopathy with dynamic left ventricular outflow tract obstruction
論文タイトル(訳)
著明な左室流出路狭窄を伴うたこつぼ心筋症におけるランジオロール経静脈投与がもたらす循環動態への影響
DOI
10.1136/bcr-2023-255987
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports Vol.16 Issue 10
著者名(敬称略)
曺 叡智、井上 健司 他
所属
順天堂大学医学部附属順天堂醫院 循環器内科

抄訳

たこつぼ心筋症(TCM)は、6-20%の症例で左室流出路(LVOT)狭窄に伴う心原性ショックをきたす。病態としてはLVOT狭窄が収縮期僧帽弁前方運動による僧帽弁閉鎖不全症を引き起こし、収縮能低下に加えて循環動態の破綻をきたす。本稿では、LVOT狭窄による循環不全に対してランジオロール投与が効果的だった3例のTCM症例を報告する。ランジオロールは短時間作用型β遮断薬のため血圧、心拍数をモニタリングしながら適宜容量を調節できる。その際できるだけ高容量を用いることで左心室-大動脈圧較差の解消を目指す。著明な流出路狭窄は、循環動態破綻の主要な予測指標(Odd ratio 4.6)であるため、血圧低下を伴う症例に対して積極的にランジオロールを用いることが有効な治療戦略と考える。

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2023/11/08

コイル塞栓術中の血栓塞栓症に対する血栓溶解剤のバルーン補助下動脈内局所注入

論文タイトル
Local thrombolytics via balloon-assisted intra-arterial infusion as rescue therapy for thromboembolism during endovascular coil embolisation
論文タイトル(訳)
コイル塞栓術中の血栓塞栓症に対する血栓溶解剤のバルーン補助下動脈内局所注入
DOI
10.1136/bcr-2023-256134
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports Vol.16 Issue 10
著者名(敬称略)
府賀 道康
所属
東京慈恵会医科大学 脳神経外科

抄訳

頭蓋内動脈瘤に対するコイル塞栓術において、血栓塞栓症は最も頻度の高い合併症である。血栓塞栓症は脳梗塞の原因となり、重篤な神経学的後遺症や死亡につながることから、適切な救済療法が重要である。今回我々は、未破裂後交通動脈瘤に対するコイル塞栓術中に発生した血管の急性閉塞に対して、バルーン補助下での血栓溶解剤の局所注入によって、閉塞血管を再開通させることに成功した。 本手法は、閉塞血管のすぐ遠位でマイクロバルーンを拡張させた状態で、閉塞血管の近位に留置したマイクロカテーテルから血栓溶解剤を注入する方法である。この手法により、局所的な薬剤濃度が上昇することによって、閉塞血管の再開通率が上昇する可能性がある。さらに、あらゆる種類の血栓溶解剤にも適用可能であり、全身的な薬剤の投与量を減らすことができることから、出血性合併症が低下する可能性がある。 頭蓋内動脈瘤に対するコイル塞栓術中に発生した閉塞血管に対するバルーン補助下での動脈内血栓溶解剤の局所注入法は,従来の血栓溶解剤の投与方法では血栓塞栓症が改善しなかった場合に,検討すべき救済療法である。

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2023/11/08

ウイルスゲノム様人工遺伝子を利用した安定的二本鎖RNAウイルスベクターの構築

論文タイトル
Genetic engineering strategy for generating a stable dsRNA virus vector using a virus-like codon-modified transgene
論文タイトル(訳)
ウイルスゲノム様人工遺伝子を利用した安定的二本鎖RNAウイルスベクターの構築
DOI
10.1128/jvi.00492-23
ジャーナル名
Journal of Virology
巻号
Journal of Virology October 2023  Volume 97  Issue 10  e00492-23
著者名(敬称略)
金井 祐太 他
所属
大阪大学 微生物病研究所 ウイルス免疫分野

抄訳

RNAウイルスには様々な細胞を標的とする多様なウイルスが含まれ、ウイルスベクターの魅力的なプラットフォームであるが、ウイルスゲノム複製のためのRNAポリメラーゼが校正活性を欠くため、継代を繰り返す過程でウイルスゲノムに挿入された外来遺伝子が欠失することが知られている。本研究では、分節型二本鎖RNAをゲノムとして持つレオウイルス科のロタウイルス(RV)をウイルスベクターとして使用した際の外来遺伝子の安定性向上のため、ルシフェラーゼ遺伝子(NLuc、Akaluc)および蛍光タンパク質遺伝子(ZsGreen、AsRed)を元に、ロタウイルスNSP1遺伝子のコドン使用頻度に類似するよう塩基配列を改変した人工遺伝子をデザインした。未改変の外来遺伝子を発現するRVベクターは感染継代後に外来遺伝子の欠損が高確率に認められたが、RVゲノム様に改変した人工遺伝子は安定的に保持されることが明らかとなった。同様にレオウイルス科の哺乳類レオウイルス(MRV)ベクターにおいても、外来遺伝子の塩基配列をMRVゲノム様に改変することで安定性が顕著に上昇することが確認されたことから、本手法が様々なRNAウイルスベクターに広く利用できる可能性が示唆された。

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2023/11/02

子宮筋腫の発生・病態におけるMED12変異の役割

論文タイトル
RISING STARS: Role of MED12 mutation in the pathogenesis of uterine fibroids
論文タイトル(訳)
子宮筋腫の発生・病態におけるMED12変異の役割
DOI
10.1530/JME-23-0039
ジャーナル名
Journal of Molecular Endocrinology
巻号
Journal of Molecular Endocrinology Volume 71: Issue 4 e230039
著者名(敬称略)
石川博士 他
所属
千葉大学大学院医学研究院生殖医学

抄訳

子宮筋腫は大量の細胞外マトリックスを含み、性ステロイド依存性発育を示す。子宮筋腫のドライバー遺伝子変異で最も頻度の高いMED12変異は、筋腫の50-80%にみられる。このMED12変異は機能獲得型変異と考えられており、アフリカ系アメリカ人に多く、多発性筋腫では比較的小さな筋腫にもみられる。MED12変異筋腫は特有の遺伝子発現プロファイル、DNAメチローム、トランスクリプトーム、プロテオームを持つ。また細胞外マトリックス関連遺伝子の発現が上昇しており、メディエーター複合体のキナーゼ活性とWnt/βカテニンシグナル経路に異常がみられる。臨床的にはMED12変異の有無でGnRHアナログ製剤や選択的プロゲステロン受容体モジュレーターであるウリプリスタル投与による縮小効果が異なる。MED12変異筋腫の特徴を理解し、MED12変異の筋腫形成への関与を明らかにすることは、MED12を標的にした子宮筋腫に対する新たな治療法の開発につながると考えられる。

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2023/10/24

GLP-1受容体作動薬投与と腎移植後2型糖尿病患者の移植腎機能に対する効果の可能性

論文タイトル
Possible Advantage of Glucagon-Like Peptide 1 Receptor Agonists for Kidney Transplant Recipients With Type 2 Diabetes
論文タイトル(訳)
GLP-1受容体作動薬投与と腎移植後2型糖尿病患者の移植腎機能に対する効果の可能性
DOI
10.1210/clinem/dgad177
ジャーナル名
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism
巻号
The Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism, Volume 108, Issue 10, October 2023, Pages 2597–2603
著者名(敬称略)
佐藤 哲彦 他
所属
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 糖尿病•内分泌内科

抄訳

【背景】GLP-1受容体作動薬(GLP-1RA)は2型糖尿病患者の腎機能に対して有益であることが知られている。しかしながら、GLP-1RAが腎移植後の移植腎機能に及ぼす効果について十分検討されていない。
【方法】本研究は単施設の後方視的観察研究として、2012年より腎移植後1か月後より安定した移植腎機能を有し、24か月以上経過観察された該当する全ての2型糖尿病腎移植患者を対象とした。 4か月間40%以上の推定糸球体濾過量低下を腎イベントと定義し、GLP-1RA投与群と非投与群における腎イベントリスクの関連性を、傾向スコア逆数重き付け(IPTW)で補正し解析した。
【結果】73例のGLP-1RA投与群と73例の非投与群を同定し、観察期間中に腎イベントはそれぞれ1名、6名認められた。IPTWにてリスク補正し、GLP-1RA投与は腎イベントのオッズ比0.105 (p<0.05)と、非投与群に比し有意に腎イベントリスク低下と関連した。また感度分析としてその後追跡し、2021年12月までに腎イベントを有した全症例で移植腎機能廃絶を認めた。なお観察期間中の移植腎機能を有したままの死亡症例を認めなかった。
【結論】GLP-1RA投与は、腎移植後2型糖尿病の移植腎機能保持に有用である可能性が示唆された。

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2023/10/23

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症:高フェリチン血症のまれな原因

論文タイトル
Isolated ACTH deficiency: an uncommon cause of hyperferritinaemia
論文タイトル(訳)
副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症:高フェリチン血症のまれな原因
DOI
10.1136/bcr-2023-256049
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports Vol.16 Issue 10
著者名(敬称略)
磯田 淳 他
所属
医療法人星医院、独立行政法人国立病院機構渋川医療センター

抄訳

副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)単独欠損症(Isolated ACTH Deficiency; IAD)はまれな疾患であり、高フェリチン血症の原因としてはほとんど知られていない。私たちは、軽度の貧血(Hb 11.3g/dL)と高フェリチン血症(1796μg/L)を呈したIADの症例について報告する。患者は70歳代男性で、正常腎機能にも関わらず血清エリスロポエチン値の相対的低下(14.2 IU/L)と血清ヘプシジン-25値の上昇(91.7μg/dL)を認めた。IAD診断後、ヒドロコルチゾンの補充(15mg/日)により、貧血は速やかに改善し、血清ヘプシジン-25値と血清フェリチン値は正常化した。本症例では、副腎不全に伴うグルココルチコイド欠乏が、赤血球造血と抗炎症活性を抑制し、血清ヘプシジン-25値の上昇と高フェリチン血症の発症に関与したと考えられた。IADの初期症状は、全身倦怠感、食欲不振、体重減少、血液量の減少など非特異的であるため、診断が遅れる可能性がある。原因不明の貧血と高フェリチン血症を持つ患者においては、IADを含む副腎不全の可能性を鑑別診断として考慮すべきである。

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2023/10/20

ヒト腸内から分離されたデオキシコール酸を産生する新菌種Claveliimonas bilisSellimonas monacensisの再分類

論文タイトル
Claveliimonas bilis gen. nov., sp. nov., deoxycholic acid-producing bacteria isolated from human faeces, and reclassification of Sellimonas monacensis Zenner et al. 2021 as Claveliimonas monacensis comb. nov.
論文タイトル(訳)
ヒト腸内から分離されたデオキシコール酸を産生する新菌種Claveliimonas bilisSellimonas monacensisの再分類
DOI
https://doi.org/10.1099/ijsem.0.006030
ジャーナル名
International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology
巻号
Volume 73, Issue 9
著者名(敬称略)
久富 敦、坂本 光央 他
所属
国立研究開発法人理化学研究所 バイオリソース研究センター 微生物材料開発室

抄訳

健康な日本人の糞便から分離された嫌気性桿菌の3株はSellimonas monacensis(97.5%)および'Lachnoclostridium phocaeense'(97.2%)と最も高い16S rRNA遺伝子配列類似性を示した。また分離株は、デオキシコール酸を産生するEubacterium sp. c-25と単系統のクラスターを形成していた。分離株およびEubacterium sp. c-25株間のDNA-DNAハイブリダイゼーション(dDDH)値および平均ヌクレオチド同一性(ANI)値は、種の閾値よりも高く、これらは同一種であることが示された。一方、これらの菌株のdDDH値およびANI値は、他の菌株に対する種判定の閾値よりも低く、さらに、これらの菌株間の平均アミノ酸同一性値は属境界の閾値よりも高かった。収集されたデータによると、分離株は、Lachnospiraceae科の新属に属すると考えられ、Claveliimonas bilisを提案した。

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2023/10/20

Faecalibacterium hominisはFaecalibacterium duncaniaeの後の異型シノニムである

論文タイトル
Faecalibacterium hominis Liu et al. 2023 is a later heterotypic synonym of Faecalibacterium duncaniae Sakamoto et al. 2022
論文タイトル(訳)
Faecalibacterium hominisはFaecalibacterium duncaniaeの後の異型シノニムである
DOI
https://doi.org/10.1099/ijsem.0.005995
ジャーナル名
International Journal of Systematic and Evolutionary Microbiology
巻号
Volume 73, Issue 8
著者名(敬称略)
坂本 光央、遠藤 明仁 他
所属
国立研究開発法人理化学研究所 バイオリソース研究センター 微生物材料開発室

抄訳

最近承認されたFaecalibacterium hominisの1株は、Faecalibacterium duncaniaeの基準株と16S rRNA遺伝子配列において99.0%の類似性を有していた。本研究の目的は、F. hominisF. duncaniaeの分類学的関係を評価することである。F. duncaniae JCM 31915TF. hominis JCM 39347Tと73.0%のDNA-DNAハイブリダイゼーション(dDDH)値を示した。また、この2株間の平均塩基同一性(ANI)値は96.7%であった。これらの結果から、F. duncaniae JCM 31915TF. hominis JCM 39347Tは同種であることが示された。これらのデータに基づき、我々はFaecalibacterium hominisFaecalibacterium duncaniaeの後の異型シノニムとして提案する。また、このシノニムの説明文に修正を加えた。

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2023/10/17

ダプソン誘発性Heinz小体型溶血性貧血

論文タイトル
Dapsone-induced Heinz-body haemolytic anaemia
論文タイトル(訳)
ダプソン誘発性Heinz小体型溶血性貧血
DOI
http://dx.doi.org/10.1136/bcr-2023-256775
ジャーナル名
BMJ Case Reports
巻号
BMJ Case Reports Vol.16 Issue 10
著者名(敬称略)
豊島 孝幸, 原田 侑典 他
所属
市立奈良病院総合診療科

抄訳

90代男性患者がふらつき、脱力感、混濁尿を主訴に受診した。全身の搔痒性紅斑のため1か月前からダプソンを服用していた。診察および血液検査で溶血性貧血を示す所見を認め、末梢血液塗抹標本でbite cellとHeinz小体の凝集を認めた。グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)欠損症を疑ったが異常はなく、その他の溶血性貧血の原因を示唆する所見にも乏しく、ダプソン誘発性溶血性貧血と診断した。酸化的溶血性貧血はG6PD欠損症を伴わない場合にも発症することがあり、末梢血液塗抹標本でbite cellやHienz小体を発見することが診断に重要である。

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