抄訳
人工関節周囲感染症(PJI)では、培養検査で原因菌を同定できない症例があり、次世代シーケンシング(NGS)による遺伝子診断が期待されている。一方、低バイオマス検体では環境由来のコンタミネーションが結果に影響するが、整形外科領域では十分な定量的検討が行われていなかった。本研究では、16S rRNA遺伝子V1–V2可変領域を標的とした同一プライマーによる定量PCR(qPCR)とNGS(Fusion Method)を行い、QIIMEによるシーケンス解析に加え、定量positive control、negative controlおよびmock communityを用いた検証と、decontamによる汚染候補配列の除去を行った。 qPCRは高い再現性を示し、NGSで細菌を安定して同定できる菌量に基づく定量カットオフを設定した。また、培養陰性例でも細菌を検出し、その後の臨床経過と一致する症例を認めた。qPCRによる菌量評価と汚染除去の併用により、低バイオマス検体におけるNGS結果の信頼性を高められる可能性が示された。